病気について、症状等
心房(→心房細動)の収縮に必要な秩序だった電気活動が失われているのは心房細動と同じですが、心房細動のように全くの無秩序ではなく、一定の規則性のある電気活動が存在するため、心房の収縮はわずか残っています。心房の収縮回数は正常の5倍前後となり、その高頻度の電気活動の半分がポンプに伝わることが多いため、多くの場合、心拍数が1分間に130~160回の頻拍になります。したがって心房細動と同じく頻脈となりますが、一定のリズムの規則正しい頻脈です。
心房粗動を発症したときの症状は、心房細動と同じく動悸、胸痛、息切れなどですが、無症状の場合もあり、脳梗塞などの血栓症や心不全を発症しやすくなるのも心房細動と同じです。
治療も心房細動と同じで、心房粗動の再発予防薬、あるいは心房粗動になっていても心拍数を正常に保つ薬、および脳梗塞などの血栓症の予防薬、によって薬物治療が行われます。心房粗動に対するカテーテル治療は、心房細動よりずっと以前から行われており手技もほぼ確立していること、 および心房粗動は心房細動に比べて薬物による心拍数の調節が困難となりやすいことから、心房細動の場合よりも、カテーテル治療(→心房粗動のアブレーション)が選択されることが多いです。
このように心房粗動は心房細動と良く似ており、実際にも心房細動が心房粗動に移行したり、逆に心房粗動が細動に移行したりすることも多いのですが、脈拍の規則正しさという点からみるとこの心房粗動は、次の上室性頻拍や心房頻拍とよく似ていると言えます。
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