主な疾患

カテーテルアブレーション(カテーテル心筋焼灼術)

直径2~3mmの太さの柔らかいカテーテルを用いて、心臓内にある不整脈の発生源、あるいは不整脈発生に不可欠な異常な電気回路を、電気焼灼 することにより不整脈を治療します。多くの不整脈は、この治療によって根治が期待できます。「カテーテル心筋焼灼術」とも呼びます。

電気焼灼 :カテーテルの先端から高周波電流を流すと、カテーテルの先端に触れているごく一部の組織が熱エネルギーにより変性し、異常な電気活動が消失します。カテーテルの先端温度は55℃前後で、一回の焼灼で組織を変性させる範囲は直径約5mmです。

上室性頻拍のアブレーション

正常刺激伝導路”と呼ばれる正常な電気回路以外に、異常な電気回路が存在するために発生する不整脈です。その異常な電気回路は、ほとんどの場合弁輪部という部分の近傍に存在するために、他の不整脈に比べ不整脈の発生源の正確な部位が比較的容易に特定できます。また最も古くから行われているアブレーションであるために、手技も確立され成功率は非常に高くアブレーション後の再発率も数%未満であるため、この不整脈のアブレーションの治療成績が最も高くなっています。




心房頻拍、心房粗動のアブレーション

心房内に、 “リエントリー回路”と呼ばれる、正常の電気回路とは全く別の電気回路が存在するために、または異常な高頻度で興奮する組織が存在するために発生する不整脈です。リエントリー回路の一部を電気焼灼することにより回路を遮断する方法や、異常興奮組織を焼灼する方法で治療します。この不整脈の発生に不可欠な領域は、心房全体にわたって存在しえるため、まずその異常な回路や組織の部位の特定に時間がかかることがあり、また焼灼すべき場所が数箇所~数十箇所であること もあり、上室性頻拍のアブレーションより比較的長時間の手術時間が必要となります。



心房細動のアブレーション

多くの心房細動には、左心房にある肺静脈(肺からの血液を心臓に戻す血管)の付着部近傍に異常な高頻度興奮が起こる組織が存在し、その異常興奮が心房に伝達された結果心房細動が引き起こされます。左心房にある4本の肺静脈の付着部周囲を、付着部位を囲むように円形に電気焼灼して、肺静脈付着部近傍の異常興奮が心房全体に伝達されない(肺静脈の電気的隔離)ようにします。また肺静脈付着部位以外に心房細動を誘発させうる異常興奮部位がある場合は、その部位を一個ずつ丹念に焼灼していきます。焼灼回数は数十回となるため、手技にかかる時間は他の不整脈のアブレーションに比べて長く、必要に応じて全身麻酔を施すこともあります。




図1:左心房と4本の肺静脈(マルチスライスCT)
図2:肺静脈内の異常興奮が心房全体に伝達される(マルチスライスCTを用いた模式図)
図3:点線の白線の部分を電気焼灼した結果、肺静脈内の異常興奮が焼灼したラインで消滅し、
心房は影響を受けない。

心室頻拍のアブレーション

心室内にも、心房と同じく、異常興奮部位やリエントリー回路が存在する場合があり、そのために起こる不整脈です。心室頻拍を発症すると、血圧が低下し意識がなくなったり、心室細動という最も危険な不整脈に移行する場合があるため、非常に危険な不整脈です。アブレーションは、心房頻拍や心房粗動と同じように、リエントリー回路や異常興奮部位の特定を行ったのちに、電気焼灼することによって、リエントリー回路を遮断したり、異常興奮組織の不活性化をめざします。


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