病気について、症状等
ポンプである心室に異常な電気回路が存在するために発生する不整脈です。心筋梗塞や心筋症といった他の心臓のご病気をお持ちの方に多いのですが、他に心疾患をお持ちでない方にも起こり得る不整脈です。また急性心筋梗塞を発症して間もない時間帯、例えば発症後数分以内に出現することもあります。上室性頻拍や心房頻拍と同様に一定のリズムの頻拍となりますが、同時に血圧 が過度に低下することが多いので、動悸の症状以外に、突然倦怠感や脱力感を感じたり、あるいは眼前暗黒感や失神というような立位や座位の姿勢が困難となることもあります。さらに心室頻拍 から、心室細動という不整脈に移行すると、意識を消失するどころか、呼吸は停止、心臓のポンプの働きは完全に失われ、そのままでは生命維持が困難となります。
突然の意識消失発作を経験された患者さんを診察する場合は、我々はこの不整脈を常に念頭において検査を行っています。また一般の方々も、もし街中で突然意識を失われた方を目撃した場合 は、心室頻拍あるいは心室細動ではないかと疑ってみてください。心室頻拍や心室細動を発症された患者さんに対する初期治療には、今では街中でもよくみられるようなったAED(エー・イー・ ディー、自動型除細動器)が非常に有効です。AEDを正しく使えるようになるための講習会は日本全国で行われていますが、我々福井県済生会病院でも、一般の方々に対する定期的な講習会を近々開催する予定としています。
症状から心室頻拍が強く疑われた場合は、入院していただいて不整脈を診断するための詳しい検査を行っています。心室頻拍と診断された場合は、薬物治療やカテーテルアブレーション、および植え込み型除細動器の植え込み、を適宜組み合わせて治療しています。
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