主な疾患

狭心症、心筋梗塞、急性冠症候群

病気について、症状等

心筋に血液を供給するための血管を冠動脈(図1)といいますが、冠動脈に、動脈硬化によって生じた狭窄病変が出来てしまうとその部位で血液の流れが障害され、心筋に十分な血液が供給されなくなります。その結果、胸痛や胸部圧迫感といった発作性の胸部症状を自覚するようになったり、心筋の働きが悪くなり心不全を発症したりします。このような状態を狭心症(図2)といいます。また冠動脈の動脈硬化病変が破裂することがあり、その部位に血液の塊が出来た場合は、血管が完全に閉塞(図3)またはそれに近い状態となり、心筋が壊死に陥いることにより、やはり心不全を発症したり、致死的な不整脈が発生したりします。これを急性冠症候群といい、心筋の壊死が明らかな場合を心筋梗塞、壊死がまだ起こっていない場合を不安定狭心症といいます。発作性の胸部症状の持続時間や頻度が悪化している場合には、心筋梗塞の一歩手前の不安定狭心症に至ってしまった可能性が高いといえます。しかし自覚症状を認めなくても冠動脈に高度の狭窄がある場合があり、とくに糖尿病などの狭心症になりやすいご病気をお持ちの方は、検査により冠動脈硬化の有無を調べる必要があります。
冠動脈には軽い動脈硬化しかないのに、冠動脈が自ら痙攣を起こして狭窄してしまうことがあり、このような狭心症を“攣縮性狭心症”と呼びます。早朝から午前中の安静時に胸痛発作が起こり、ニトログリセリンという狭心症発作の頓服薬が奏効することが多いのですが、まれに攣縮性狭心症でも心筋梗塞に至る場合もあります。
狭心症の診断のためには、トレッドミル検査や心臓核医学検査や冠動脈CT検査を行いますが、細かく調べるためには心臓カテーテル検査での冠動脈造影が必要となります。


検査

心臓カテーテル検査

狭心症や心筋梗塞が疑われた際に経皮的冠動脈形成術に先立って行われる検査です。冠動脈硬化の状態を詳細に調べるために、検査用のカテーテルを用いて冠動脈に造影剤を注入し、X線を用いて冠動脈の撮影(冠動脈造影)を行います。
狭心症や心筋梗塞以外の疾患でも、例えば心不全がある場合は、カテーテルによって心臓の中の圧力や肺動脈の圧力を測定して心不全の重症度を評価します。また心筋症や心筋炎の場合はカテーテルで心筋細胞を少量摂取します。
当院では年間約600症例の心臓カテーテル検査・治療を行っています。


心筋の壊死が進行しつつある場合は、カテーテル治療(→経皮的冠動脈形成術)により閉塞したあるいは閉塞しかかった血管を再開通させ、壊死の進行しつつある心筋に早期に十分な血液を供給してあげると、生命予後が良くなることがわかっています。また高度の狭窄がみられる冠動脈に対して、カテーテル治療で狭窄を取り去ってあげると狭心症の症状が無くなり、かつ心臓の状態を良好に保つことができるようになります。3本すべての冠動脈に高度な動脈硬化がある存在する場合、左冠動脈の根元の“主幹部”という部分に高度な動脈硬化がみられる場合は、冠動脈バイパス術が必要となることがあります。


診療科

受診について

診療時間
月~金曜日 8:30~17:00
(午後は予約・紹介・小児科のみ)
診療受付時間 8:20~11:00/
自動受付機は7:40より稼働
休診日
土・日曜日、祝祭日、年末年始
休日・時間外診療
救急センターにて対応します。

0776-23-1111

〒918-8503
 福井県福井市和田中町舟橋7番地1

ページトップへ