福井県初導入 膵がんドック・不整脈ドック
2025.01.31(かけはしvol.125掲載)

膵がんの早期発見に期待!膵がんドック
膵がんは早期には症状が出にくく、検査を受けて初めて発見されるケースもあり、発見時には手術ができない状態(ステージⅣ)であることもあります。治療法としては、局所進行の場合は化学放射線療法、遠隔転移の場合は抗がん剤治療や免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬などが用いられますが、依然として難治のがんとされています。5年生存率は約10%と低く、日本では2023年にがん死亡数の第3位となりました。
膵がんの主なリスク因子として、家族歴(親子や兄弟姉妹に膵がん患者がいる場合、発症リスクが高い)、慢性膵炎、糖尿病、肥満、喫煙、過剰な飲酒などが挙げられます。とくに家族歴による発症の危険性は高いため、検査を推奨します。早期発見できれば周囲の臓器に広がる前に手術でがんを除去でき、手術が難しくても抗がん剤や放射線治療で健康に過ごせる時間を延ばす治療が見込めます。
心房細動を発見して脳梗塞などを防ぐ!不整脈ドック
不整脈とは不定期に発生する脈の乱れの総称で、発生する条件や頻度は個人によって異なります。不整脈は不定期に発生するため、短時間の安静時心電図では検出が難しく、見逃されることがあります。特に心房細動は症状がないケースが約40%あり、実際の患者数は推定より多いと考えられています。加齢とともに発症率が増加し、脳梗塞や心不全のリスクが高まります。心房細動によって心房内に血栓ができると、脳の血管が詰まり、重症化しやすい脳梗塞を引き起こす可能性があります。
主なリスク因子として、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、飲酒、睡眠時無呼吸症候群、加齢などが挙げられます。60歳以上で不整脈が気になる方は早めの検査を推奨します。

テーラーメイドの健診で一人ひとりにあった検査を
当院ではテーラーメイド健診を展開しています。テーラーメイド健診とは、基本の健診に加え、「動脈硬化関連の検査」や「がん検査」など、個々の健康状態に応じた検査を選べる仕組みです。例えば、心疾患に関しても血管に焦点を当てた心臓ドックや、不整脈に特化した検査を選択できます。
当院で人間ドックによってがんが発見されるのは年間100人ほどで、その9割以上が早期発見です。全国的な調査でも、健診で発見されたがんの3年生存率は9割以上ですが、症状が出てからの発見では5年生存率が約5割に低下します。安心して生活を送るために、ご自身に合った健診を受けてみてください。