乳がん② 治す
2022.11.01(かけはしvol.114掲載)
これまで通りの暮らしを取り戻す。
チーム医療による女性に優しい乳がん治療。
乳がんの患者さんは、家庭の担い手、母親、働き手など、家庭・社会において大事な役割を果たしている世代の割合が高い傾向にあります。また、乳がんは緩やかに進行する場合も多く、術後も5年、10年と経過を観察するため、精神面の負担も大きいといえます。当院では、手術はもちろん、その後の抗がん剤治療、メンタルケア、緩和ケア、ソーシャルサポートなど、あらゆる面からサポートをしています。
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<手術>
がん細胞のある乳房を切り取る外科手術です。乳房の一部を切除する乳房部分切除術(乳房温存手術)と、乳房をすべて切除する乳房全切除術があります。
●「乳房形成外来」
切除した乳房を新たな乳房をつくることを「乳房再建」といいます。手術や術後の負担は大きく変わらないこともあり、全切除した上で乳房再建の選択をする患者さんが増えています。当院では「乳房形成外来」を開設し、患者さんの心と体に優しいがん治療を推進しています。
<薬物療法>
目に見える腫瘍は手術での切除を行いますが、手術前にがんを小さくして切除範囲を小さくするために行う場合や、再発・転移の防止を含めた治療として薬物治療を行います。ホルモン剤、分子標的治療剤、抗がん剤など患者さんのがんの状態に応じた薬物治療を提案しています。
<放射線治療>
がん細胞に放射線を照射することで、がん細胞を死滅させたり、小さくする治療です。乳房部分切除術後の再発予防や、骨転移などによる痛みや神経への影響を回避する治療として行います。
●新型 放射線治療装置「トモセラピー」
当院では、2022年9月に、患者さんへの負担が少ない放射線治療装置である新型トモセラピーを導入しました。詳しくは「かけはし
112号」をご覧ください。
女性が安心できる、女性に優しい外来 「女性診療センター」
女性診療センターは、乳がんも含め、女性特有の病気の診療と、健康についての悩みを解決するための外来です。
当院の女性診療センターは、福井県でもいち早く2005年に開設をしました。開設にあたりアンケートをしてみると、「悩みを聞いてほしい」「納得できる説明をしてほしい」という声が多く、女性特有の症状や悩みを理解・解決してほしいという気持ちが強いことに気づかされました。また、「プライバシーに配慮した環境・空間やメンタルケア」を求める声が多く、「女性の気持ちを理解できる」をコンセプトに、環境・空間面を整備。さらに科の枠を超えて医師や各職種スタッフが協力して「チーム医療」を推進しています。
<当院の女性診療センターの特徴>
● プライバシーが保てる空間
● 十分な説明を受けることができる診療体制
● 女性医師、女性スタッフの充実
<お問合せ>
場所:本館2階 GHブロック
診療日:月〜金 8:30〜17:00
問い合わせ:0776-23-1111(代)
●乳腺外科:完全予約制
●産婦人科:原則紹介制/完全予約制