乳がん① 見つける

2022.11.01(かけはしvol.114掲載)


9人に1人は乳がんに。 働き盛りの40代に発症率が高い。


乳がんは乳房にできる悪性の腫瘍です。全国で毎年9万人が乳がんを発症し、そのうち1万4千人の方が亡くなっています。特に40代~60代を中心とした世代が発症しやすく、本人はもちろん、家庭や職場など周囲への影響が大きい世代といえます。


決定的な予防法はありません。
転移を防ぐためにも、早期発見がポイント。


発症原因は、遺伝的要因以外は今のところはっきり特定されていないため、予防法もありません。乳がんの初期段階といえる大きさ1㎝程度になるまでに8~10年と、他のがんに比べ増殖スピードが遅いのが特徴です。そのため、気づいたときには他の組織や臓器に転移をしている可能性もあるため、早期発見がポイントとなります。

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乳房を意識する生活習慣 ブレスト・アウェアネス

 早期診断をするためには、日頃から乳房を意識した生活習慣「ブレスト・アウェアネス」を心がけることが重要です。また、40代になったら2年に1度は乳がん検診を必ず受けましょう。何か異常を感じたり、乳がん検診にて異常が認められたら、必ず病院で検査を受けましょう。

<point1>自分の乳房の状態を知る
 日頃から「自分の乳房の状態を知る」ことがまず第一歩。入浴やシャワーの時、着替えの時、ちょっとした機会に自分の乳房を見て、触って、感じてみましょう。入浴の際に、石鹸を付けて撫で洗いするのもいいでしょう。

<point2>乳房の変化に気をつける
 普段の自分の乳房の状態を知ることで、初めて、変化に気が付けます。「しこりを探そう」という意識は必要ありません。「いつもと変わりがないかな」という気持ちで取り組みましょう。
 □乳房のしこり
 □乳房の皮膚のくぼみや引きつれ
 □乳頭からの分泌物
 □乳頭や乳輪のびらん

<point3>変化に気が付いたら、すぐ医師に相談する
 乳房の変化に気付いたら、次の検診を待つことなく病院やクリニックなどの医療機関を受診しましょう。大丈夫だろう、と安易に自己判断することなく専門医の診察を受けましょう。

<point4>40歳になったら、2年に1回乳がん検診を受ける
 乳がん検診の目的は、乳がんで亡くなる女性を減らすことです。現在厚生労働省が推奨している乳がん検診(マンモグラフィ)は科学的に証明された有効な検診です。40歳以上の女性は、2年に1回、定期的に検診を受けましょう。また、「異常あり」という結果を受け取った場合には必ず精密検査を受けるようにしましょう。

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「しこり」を探す意識は必要ありません。
いつもの状態を知っておくことが大切です。


「自分で乳房のしこりを探しましょう」と教えられた方も多いかもしれません。これは「自己触診」と言われ、検診の代わりに推奨されていましたが、自身で異常を見つけることはなかなか難しく、継続できないこともしばしば。
「ブレスト・アウェアネス」は、生活習慣として自分の乳房の状態を知っておくこと。普段の状態を知っているからこそ、自分で異常が見つけられます。「しこり」を探す気持ちは必要ありません。日頃から自分の乳房を意識して、その状態を知っておくことを習慣としましょう。


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