内視鏡センター① 消化管がん
2022.09.05(かけはしvol.113掲載)
北陸トップレベルの内視鏡件数(約20,000件/年)を誇る経験豊富な専門医師による検査・治療を実施しています。
内視鏡センターでは主に胃カメラ、大腸カメラ、膵臓・胆道の超音波検査などを行っています。また、食道、胃、小腸、大腸などの消化管がんに対する画僧強調内視鏡・拡大内視鏡を用いた精密な内視鏡診断、および内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に代表される身体への負担が少ない低侵襲ながん治療にも積極的に取り組んでいます。
見つける 先端技術で早期発見。早期のがんを見逃さない。
<特殊鋼観察>病変の特徴を強調して観察できる
「特殊光観察」とは特殊な波長の光を当てることで、病変の粘膜表面の模様や血管の輪郭、色調を強調する観察方法です。通常の内視鏡検査中にボタン一つで内視鏡カメラの先端から照射できるため、患者さんに特別な体力的負担はありません。「特殊光」を使った観察により早期のがんを容易に発見することが可能です。
<拡大内視鏡>拡大することで精度の高い診断
がんが粘膜下に深浸潤すると、リンパ管や血管を通じて、他の臓器にも転移します。転移の可能性があると、内視鏡での根治が難しくなるため、がんの深さを正確に診断することが重要です。拡大内視鏡で粘膜模様や血管を拡大観察することにより病変の良性・悪性の診断、早期がんの範囲診断、病変の深さの診断が可能に。このように早期がんの診断精度は飛躍的に向上しています。
直す メスを入れずに内視鏡治療だけで根治可能。早期消化管がんの先端治療。
より低侵襲で体の負担を軽減
消化管がんの治療においては、可能な限り患者さんのQOLに配慮して、できるだけ臓器を温存し、より低侵襲な治療をすることが重要です。転移の可能性の少ない段階でがんを発見できれば、外科手術を行わずに内視鏡のみで切除し根治治療ができる可能性があります。この低侵襲な内視鏡切除の方法には、
● 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー) 図1
● 内視鏡的粘膜切除術(EMR) 図2
● 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 図3
があります。
病変の大きさや形、存在する部位、予測されるがんの深さ(深達度)などによって方法が決められます。