知ってるようで知らない白血病③
2021.02.13(かけはしvol.107掲載)
チーム医療だからこそできる白血病治療を
当院には日本血液学会血液専門医が3名在籍し、豊富な知識と経験で治療にあたっており、造血幹細胞移植認定医が、血縁者ドナーからの造血幹細胞移植を行っています。非血縁者ドナーの場合は、骨髄移植認定施設との連携を図りながら、適切な治療を行います。
ただし、白血病の治療は段階が多く、期間も長期化するので、専門医以外にも各分野の専門スタッフを含めた総合的な患者さんへのサポートが重要です。当院では、治療計画の段階から医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ、緩和ケアなどの専門スタッフが連携したチーム医療で、患者さんの状態に応じた適切な治療・ケアを行っていきます。
以前は「不治の病」と言われていた白血病ですが、医学の発達によって治療法も薬も進化してきたことで、治癒したり、普通に日常生活を送れる可能性がある病気になりました。現在更に有効で、比較的副作用の少ない薬の研究もどんどん進んでいます。必ずしも「不治の病」ではありませんので、一緒に頑張りましょう。
高齢者で白血病を発症しても治療を検討して、元気に!
ご高齢の患者さんであっても予後良好群と判断した場合、併存疾患の有無、日常生活の自立、認知症や筋力などの身体機能、治療への意欲などをみてフレイル(脆弱性)を評価し、化学療法を含めた治療計画を立てます。医師、薬剤師、看護師、理学療法士、管理栄養士がチームとなって、化学療法を進めるごとにフレイルを評価して改善に努めます。化学療法が有効であれば、むしろフレイルは改善し、再び元気に自宅で過ごされる患者さんも多数おられます。
ご高齢であっても初めて重篤な疾患の告知をされて、これまで人生の終末期を考えることなく過ごしてきた方がほとんどです。白血病が寛解になることで今後の人生を豊かに過ごせるよう努めることが私たちの役割です。