看護外来②開設の経緯
2018.02.22(かけはしvol.92掲載)
<在宅支援のための外来>
高齢化が進み、国は「ほぼ在宅、時々入院」を推進する方針を掲げています。つまり入院期間をなるべく短くし、容体が安定したら通院で対応するということですが、病気は「医療的な治療の必要がなくなった=元通り」というような単純なものではありません。
ご自宅で療養しながら社会生活を送るためには、ご本人やご家族によるケアが不可欠です。しかし慣れていない方が看護や介護に携わるのですから、負担や悩みは多くて当然です。
そんな現状を少しでも改善すべく開設したのが、「看護外来」です。昨年は相談分野を拡充し、患者さんができるだけ早く元の生活に戻れるよう、日常生活の工夫やアドバイス、精神面の支援を提供しています。
<悩みの多様化に対応>
看護師は主に、医師の診療の補助や患者さんの心身のケアを行っていますが、外来通院中の患者さんの診察の際に、充分に時間を充てられない場合があります。入院された場合は病棟でできる限り対応していますが、セルフケアについてはご自宅に戻られてから壁にぶつかることも多くあります。
ここで必要になるのが、日常生活での様々な場面を理解し、より良い解決策・改善法を導いていくことです。例えば近年、術後の傷の手当てや人工肛門の管理をご自宅でしていただくケースが増えていますが、どうすればご自宅で快適に生活していただけるかという一歩踏み込んだ指導・アドバイスが重要なのです。
当院には、看護外来に携わる認定看護師を含め、17分野の多岐にわたる専門知識を持った認定看護師が32人在籍しています。その多様性を活かし、一つのお悩みに複数の観点からお応えするなどして、迅速で納得のいく問題解決に繋げています。
<患者さんの療養上の悩み、困っていること>
・傷や人工肛門・膀胱について
・床ずれの処置、排泄に関する不安や悩み
・自宅療養中の、在宅酸素や人工呼吸器に関する不安や悩み
・飲み込みにくい、咳や痰が増えたこと、それに伴う食事や生活に関する悩み
・脳卒中後の自宅での生活や介護について
・がん治療に伴う痛みや副作用、治療中の生活に関する不安や悩み
・緩和ケア外来受診や緩和ケア病棟入院の希望
など
治療中に疑問や不安を感じたら「看護外来」へ
看護外来は予約制です。ご希望の場合は、各診療科の外来受付もしくは看護外来へお声かけ下さい。
●看護外来 0776-23-1111(代表)
●受付時間 平日8:30~17:00