胆道・膵疾患外来①臓器の役割と主な疾患
2017.12.20(かけはしvol.91掲載)
2015年に県内初の「膵疾患外来」を開設して3年。
この間、無症状の方の膵がんを発見するなど、多くの実績を上げてきました。
2017年4月には治療の範囲を胆道疾患にも広げ、「胆道・膵疾患外来」として体制を拡充しました。診断・治療が難しい胆道や膵臓の病気に対し、内科・外科の専門医がチームで取り組むことで、早期診断、適切な治療に繋げています。
<胆道・膵臓の働き>
膵臓は胃の裏側にある細長い臓器で、消化酵素(膵液)を分泌する「外分泌機能」と、血糖をコントロールするインスリンなどのホルモンを分泌する「内分泌機能」を司っています。
一方、胆道は肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ通り道の総称です。消化の補助を行う胆汁を貯める袋状の「胆のう」と、胆汁が通り十二指腸に繋がる「胆管」とで構成されています。
<胆道・膵臓に多い病気>
膵臓では、アルコールが一番の原因である「慢性膵炎」が挙げられます。みぞおちの不快感からの自覚が多く、初期はお腹や腰、背中に鈍痛が現れます。また、採血による膵臓の酵素の異常値で見つかるケースもあります。進行すると「膵性糖尿病」を発症します。慢性膵炎は膵がんの高リスクであり、定期的な検査が必要です。
胆道では、「胆石症」「総胆管結石症」が知られています。胆石が胆のうの出口や総胆管に流れ出て詰まると、細菌感染をおこし、発熱や腹痛、黄疸等の症状が出ます。短期間で状態が悪くなるケースがあるため、早期治療が重要です。ご自身の褐色尿で気づかれる患者さんがほとんどで、黄疸や褐色尿は良性・悪性問わず重要なサインですので早めに受診をしてください。