めまい外来③ めまい外来とは
2017.07.28(かけはしvol.89掲載)
<初診だけで年間400人>
2010年に開設された当院の「めまい外来」ですが、初診の患者さんだけで年間400人にものぼり、再診を含めると相当数になることから、いかにめまいで悩んでいる方が多いのかが分かります。
診療は、聴力検査→診察→眼振検査→診断という流れで行います。中でも眼振検査が重要で、この結果によって診断が異なってきます。一度の診察は短時間で終わりますが、複数回来院していただき、経過のサポートまで行うことで再発・悪化防止に繋げています。
受診される患者さんには、「めまい=脳の異常」と考えている方も多いのですが、実は脳の検査をしても「異常なし」と診断されることがほとんど。当院でも脳の異常は発見されず、めまい外来で完結するケースが大部分で、おおよその方が、原因が分かって安心して日常生活に戻られています。万が一、脳に異常が見つかった場合には、脳神経外科と連携して治療を進めていきますので、安心してご来院ください。
<具体的な治療法>
めまいの種類によって治療法は変わってきますが、当院では医師が診察から治療まで担当するケースがほとんどです。
患者数が一番多い「良性発作性頭位めまい症」の場合は、障害のある三半規管を特定し、理学療法やリハビリによる改善を図ります。再発予防のための体操も指導しますので、無理のない範囲で行ってください。
「メニエール病」の場合には、内服薬での治療が主となります。処方された薬が効かない場合は、一般的な手順に〝めまい相談医〟である清水医師が経験則から見出したオリジナル要素を加えた方法で段階的に治療を行っていき、めまいのコントロールを図ります。この治療法で、約95%の患者さんの症状が落ち着いています。また、肩こりや頭痛からくるめまいには湿布や漢方薬などの処方を行っています。
「たかがめまい」と思いがちですが、自己判断は危険を伴います。医師の診断のもと、適切な治療を行いましょう。