禁煙外来② 受動喫煙の危険性
2017.07.19(かけはしvol.88掲載)
<見過ごせない受動喫煙>
タバコの煙は、自分が吸い込む主流煙よりも、先端から立ち上がる副流煙のほうが危険であることをご存知でしょうか。副流煙は、主流煙の数倍〜数百倍の有害物質を含み、周囲の人に健康被害を及ぼします。これが「受動喫煙」の怖さです。たとえ家の外で吸ったとしても、喫煙後に吐く息の中には有害物質が多く含まれるため、30分以上は戻ってきてはいけません。
さらに近年、新たな受動喫煙として「三次喫煙」の被害も叫ばれるようになってきました。これは、喫煙で出た有害物質が毛髪や衣服、壁、床、家具などに染み付いて半永久的に残り、じわじわと染み出してきて健康被害を生じさせます。その害は大人より子供や犬・猫などのペットの方が受けやすいのです。
タバコの煙の粒子は0.1〜1.4 マイクロメートルと典型的なPM2.5であり、喫煙自由な飲食店のPM2.5濃度は北京の最悪汚染時に匹敵するほど。「分煙」や「空気清浄機」といった対策では、受動喫煙を防ぐことはできません。