当院では定期的に、骨盤臓器脱のお悩みに女性泌尿器科の専門医が電話でお答えする「骨盤臓器脱の無料電話相談キャンペーン」を実施しています。平成28年2月22日(月)~24日(水)の3日間、4回目となるキャンペーンを実施したところ、「これって骨盤臓器脱?」「どういう治療があるの?」など、県内外より15件(県内9名、県外6名)のご相談をいただきました。やはり、誰にもいえず悩んでいる女性が多いことが伺えます。
ここでは、骨盤臓器脱の正しい情報と、当院で行っている治療法をご紹介します。
【骨盤臓器脱とは】 骨盤臓器脱とは、出産や加齢によって、骨盤内にある子宮や膀胱、直腸などを支えている筋肉や靭帯に緩みが生じ、これらの臓器が体外にでてきてしまう状態のことです。主な原因は出産で、回数が多いほどリスクは高くなります。加齢や肥満、下半身の負担も大きな要因です。初期症状としては膣から丸いピンポン玉のようなものが出る感覚があることが多く、進行するに従い大きくなり、歩行困難や出血、排尿困難など日常生活にも支障をきたすようになります。日本では女性の10人に一人に症状があるといわれています。
【種類と主な症状】 膀胱瘤 膀胱が体外に出ることで、下腹部の違和感、頻尿、残尿感、排尿困難などを訴えるケースが多くなります。
膀胱瘤
膀胱が体外に出ることで、下腹部の違和感、頻尿、残尿感、排尿困難などを訴えるケースが多くなります。
子宮脱
下腹部の違和感、臓器下垂感、膣粘膜からの出血、痒み、痛みなどがあります。
直腸瘤
膀胱瘤や子宮脱に比べると症例は少ないですが、下腹部違和感、臓器下垂感の他に、排便困難、便秘、便失禁などの症状があります
【種類と主な症状】
腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)
膣壁にメッシュテープを取り付け、それを仙骨の部分に固定することで上から引き上げた状態にするものです。比較的若年で、肥満がない方に適した手術です。
【長所】 再発が少ない、術後の痛みが少ない、術後1集間程度で日常生活に戻れる
【短所】 手術時間が長い、肥満の方には手術が難しい
※当院では泌尿器科だけでなく婦人科でも子宮脱の治療を行っています。患者さんの症状などに応じ、泌尿器科と婦人科が連携して、患者さんに適した治療を進めていきます。
【お問い合わせ】
当院では女性の泌尿器科疾患の患者さんが安心して気軽に受診できるよう、女性診療センターの中に女性泌尿器科をもうけています。
福井県済生会病院 女性診療センター 0776-23-1111(代)