【全く新しい薬剤治療】
飲み薬や点滴など薬を用いるがん薬剤治療は、手術療法や放射線治療と並ぶ、がん三大治療法のひとつです。薬剤治療にはがん細胞に直接作用する化学療法(抗がん剤)と、免疫細胞の働きを高める免疫療法がありますが、「免疫チェックポイント阻害剤」は免疫療法の中でもこれまでと全く違う仕組みで非常に期待が高まっている薬剤です。
【免疫チェックポイント阻害剤の仕組み】
人の免疫細胞は、体内に侵入した異物を攻撃して排除する働きがあります。
しかしがん細胞は、この免疫細胞の働きにブレーキをかけて攻撃を阻止する機能があります。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞がかけたブレーキを解除して、免疫反応を復活させる薬剤です。その結果、再びがん細胞を攻撃することができるようになります。
免疫治療の中で、大きな効果が初めて認められたのがこの「免疫チェックポイント阻害剤」であり、世界的に注目が集まり研究・開発が進められています。
【治療について】
薬剤は点滴で投与します。副作用については、正常な細胞に作用することがないので比較的少ないと言われていますが、免疫に作用するため、自己免疫性疾患を併発する可能性があります。
現在、日本では悪性黒色腫(メラノーマ)と肺がんに対して保険が適用されています。
治療後に腫瘍が縮小しているのが分かる(左:CT画像、右:PET-CT画像)
【お問い合わせ】
福井県済生会病院 腫瘍内科
0776-23-1111(代)
福井県済生会病院 腫瘍内科
0776-23-1111(代)