【健康経営】参加レポート「大人の女性のための幸せメソッド~キレイと健康を叶える~」坂井市女性健康週間講演会
「大人の女性のための幸せメソッド~キレイと健康を叶える~」坂井市女性健康週間講演会
2025年3月2日(日)に坂井市において、坂井市女性健康週間の一環として「大人の女性のための幸せメソッド~キレイと健康を叶える~」と題した講演会が開催されました。
今回は当院産婦人科主任部長の黒川哲司医師が講師を務め、女性の健康とライフステージごとの重要な健康課題について講演を行いました。
多くの方にご参加いただき、女性の健康に対する関心の高さが伺えました。
今回は、講演の様子と内容をご紹介します。
演題:大人の女性のための幸せメソッド ~キレイと健康を叶える~
講師:黒川哲司 福井県済生会病院産婦人科主任部長、福井大学客員教授

#「幸せ」から始まった健康講座
健康: 身体的・精神的な健康は、幸せの基盤
人間関係: 家族や友人との良好な関係は、支えや喜びをもたらす
自己実現: 仕事や趣味を通じて自分の能力を発揮し、成長を感じること
経済的安定: 経済的な安心感は、ストレスを軽減し、自由をもたらす
愛とパートナーシップ: 愛する人との深い絆やパートナーシップは、心の安らぎをもたらす
黒川医師が掲げたメッセージ「自分の幸せ=家族の幸せ=周囲の人の幸せ=市の幸せ=国の幸せ=世界の幸せ」には深い意味が込められています。女性が健康であることは、単に個人の問題ではなく、社会全体の幸福につながるという視点は、参加者に新たな気づきを与えたようでした。
#女性の一生を彩る健康課題
講演は女性のライフステージに沿って展開されました。産後の不安から始まり、更年期の変化、そして高齢期の健康まで、女性特有の健康課題を網羅する内容に、参加者は熱心に耳を傾けていました。
産後ケア —支えあう子育ての第一歩
「妊産婦死亡の約3割が自殺によるもの」というショッキングな事実から始まった産後ケアの話題。黒川医師は、坂井市の産後ケア事業の実績を紹介しながら、「この事業必要か?と思うのではなく、気楽に相談に行こう」と呼びかけました。
「想定外でストレス」「悩んで眠れない」「休息とりたい」—産後の女性の心の声を代弁する言葉に、子育て中の参加者からは共感の表情が見られました。家族からのアドバイス、SNSからの情報、友達のアドバイスが入り混じる中で、専門家による産後ケアの重要性が伝わる時間となりました。
更年期障害 —人生の折り返し地点での新たな挑戦
「閉経の前後約5年ずつ、計10年程度」—人生の長い時間を占める更年期について、黒川医師は「女性ホルモンが減少することに伴っておこる症状全般」と説明しました。ホットフラッシュから始まり、気分の変動、関節痛など、様々な症状について、単なる年齢の問題として片付けるのではなく、「まずはホルモン以外に原因がないかを確認」する重要性が語られました。
参加者の間で特に関心を集めたのは、更年期障害の治療法です。日常生活の改善から始まり、環境調整、エクオール、漢方薬、ホルモン療法まで、段階的なアプローチについて詳しく解説されました。会場には「これなら私にもできそう」という前向きな空気が流れていました。
黒川医師が示した「女性の平均寿命が90歳に近づきつつある中で、更年期は人生の折り返し地点」という言葉には、深い示唆が込められていました。「この時期に起きる様々な問題をかかりつけ産婦人科医と二人三脚で上手に乗り越えて、第2の人生を明るく幸せに過ごしましょう!」という力強いメッセージに、多くの参加者が頷いていました。
骨盤臓器脱 —意外と知られていない女性の悩み
「腟の中から何か出てきている」「下着などにこすれて出血する」—骨盤臓器脱の症状について説明する際、会場には少し緊張感が走りました。しかし黒川医師の明快な説明と、「現代では意識して運動しなければ、骨盤臓器脱は防げない」という具体的なアドバイスに、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。
会場全体で行われた骨盤底筋体操の実演では、「昔は畳の部屋に着物、というスタイルが一般的でしたが、これは常に骨盤底筋を鍛える動作を促します」という日本の伝統的生活様式と健康の関連性についての指摘が新鮮でした。椅子とテーブルの現代生活では意識的な運動が必要という指摘に、多くの参加者が自分の生活を振り返る様子が見られました。
骨粗鬆症 —しなやかな骨を守るために
黒川医師は「患者さんは30歳代で保育園のお子さんを持つシングルマザー。過去に検診歴はなく1年前から不正出血認めていたが発見された時には全身に転移を認め33歳で亡くなられた」という実際の経験を静かに語りました。「検診に行っていれば・・・・ワクチン接種していれば・・」という言葉に、会場は深い沈黙に包まれました。
その後、江戸時代の福井の医師、笠原白翁先生の種痘普及の取り組みを紹介しながら、予防医学の重要性と先人の知恵について語られました。「種痘の大流行が来た時に、初めて県民からの信頼をえた。その後、爆発的に拡がる」という歴史的事実には、現代の予防接種や検診にも通じる普遍的な価値観が示されていました。
#健康は予防から —明日への一歩
1時間におよぶ講演は、「福井県済生会病院の健診センターと産婦人科は女性の健康は予防できることが多い。健康な時から始める病気予防が重要と考えて頑張っています」という力強いメッセージで締めくくられました。
講演後の質疑応答では、具体的な健診の方法や、更年期症状への対処法など、多くの質問が寄せられました。黒川医師は一つひとつの質問に丁寧に答え、「みなさん、気軽に御相談下さい」と笑顔で参加者を励ましていました。
会場を後にする参加者の表情は、来場時よりも明るく、そして何か新しい一歩を踏み出す決意に満ちているように見えました。この日の講演が、坂井市の女性たちの健康と幸せへの道しるべとなることを願わずにはいられません。

健診センターで女性の健康を守るために
当センターでは「レディースドック」を毎月開催しています。子宮頸がん検診、乳がん検診、骨密度測定など、女性特有の健康課題に対応した検査を受けることができます。
黒川医師が講演で強調されていたように、「健康な時から始める病気予防」が何より大切です。気になる症状がなくても、定期的な健診で自分の体の状態を知ることが、健康維持の第一歩となります。
予約枠に限りがありますので、お早めのご予約をおすすめします。皆様の健康な毎日を支えるために、福井県済生会病院健診センターは全力でサポートいたします。
当センターでは「レディースドック」を 毎月第3木曜 午後に8名限定 で行っています。
レディースドックでは、子宮頸がん検診、乳がん検診、HPV検査(限定オプション)で受けることができます。
その他にも女性特有の疾患の発見につながる検査を行っています。
福井県済生会病院で更年期障害や骨粗鬆症の相談をされたい方へ
「もしかして更年期?」「骨の健康が心配...」そんな不安や疑問を抱えていませんか?当院産婦人科では、女性特有の健康課題に関する専門的な診療を行っています。
黒川医師をはじめとする専門医が、あなたの症状や不安に寄り添い、適切なアドバイスを提供します。「第2の人生を明るく幸せに過ごす」ための健康づくりを、私たちと一緒に始めませんか?
完全予約制で行っていますので、事前にお電話でご予約をお願いします。
福井県済生会病院 健診センター
電話番号 0776-23-1111(代表)
お問い合せ時間[月~金]8:30~17:00
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