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【健康経営】参加レポート「”女性向け”健康教室」健康保険連合会福井連合会主催 

「”女性向け”健康教室」

 健康保険連合会福井連合会主催で開催されました。

 

 

2024年11月30日(土)にコートヤード・バイ・マリオット福井において、福井県内の健康保険加入者を対象とした「”女性向け”健康教室」が開催されました。

今回は当院医師、放射線技師が講師を務め、講演と合わせて骨密度測定を行いました。

多くの方からお申込みをいただき、WEB配信を同時に行ったところ、総勢50名以上の方にご参加いただきました。

今回は、講演の様子、内容をご紹介します。

 

 

 

#骨密度測定

担当技師:福嶋千穂 放射線技師、湯口志捺 放射線技師

今回の講演テーマである「更年期障害と閉経後骨粗鬆症、子宮頸がんについて」に先駆けて、まず自身の状態を知っていただくために骨密度測定を実施ししました。


 

 

 

 

#講演1

演題:更年期症候群と骨粗鬆症

講師:三屋和子 産婦人科医長

 

 

更年期とは?

日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳です。閉経の前後5年ずつ、計10年程度の期間を更年期と呼びます。 更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することで、様々な症状が現れることがあります。

更年期症候群の主な症状:

ホットフラッシュ:急に顔が熱くなり、汗が噴き出す
発汗:寝汗をかくなど、汗の量が増える
気分の変動:イライラしやすくなったり、憂鬱な気分になる
関節痛:関節が痛む
動悸:心臓がドキドキする
めまい:目が回る、ふらつく

これらの症状は、更年期を迎えた女性全員に現れるわけではなく、その程度や種類も人それぞれです。  更年期症候群かどうかを診断するには、まずは他の病気が隠れていないかを確認することが重要です。

 

更年期症候群の治療法

更年期症候群の治療法には、ホルモン補充療法、漢方薬、エクオールなどがあります。  

ホルモン補充療法は、不足しているエストロゲンを補う治療法です。 ホットフラッシュや発汗などの症状に効果があります。
漢方薬は、体の状態に合わせて処方されます。 婦人科でよく使われる漢方薬には、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などがあります。
エクオールは、大豆イソフラボンから作られる成分で、エストロゲンと似た働きをします。 食品なので、医師の処方箋なしで購入できます。

更年期症状を和らげるためには、環境調整や日常生活の改善も大切です。  例えば、家事の負担を減らしたり、リラックスできる環境を作ったりすることで、心身のストレスを軽減できます。また、ウォーキングなどの運動や、ヨガ、瞑想なども効果的です。

 

更年期は新たな人生のスタート

更年期は、人生の折り返し地点です。 体の変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、更年期を乗り越え、明るく健康的な第2の人生を送りましょう。

 

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。  特に、閉経後の女性はエストロゲンの減少により骨密度が低下しやすいため、骨粗鬆症のリスクが高まります。

骨粗鬆症の予防には、以下のようなことが大切です。

若い頃からカルシウムを十分に摂取し、骨量を増やす
適度な運動を習慣づける
バランスの取れた食事を心がける
禁煙、節酒する
定期的に骨密度測定を受ける

骨粗鬆症は初期には自覚症状がないため、気づかないうちに進行していることがあります。  早期発見・早期治療のためにも、定期的な検査が重要です。

 

更年期は、体の変化に上手に対応することで、より豊かな人生を送ることができます。 また、骨粗鬆症は、予防と早期発見・早期治療によって骨折のリスクを減らすことができます。 

ご自身の健康を守るために、今日からできることを始めてみませんか? 


 

 

 

 


#講演2

演題:子宮頸がんについて

講師:黒川 哲司 産婦人科主任部長

 

 


子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入り口部分である子宮頸部にできるがんです。 子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が主な原因であり、若い世代でも発症する可能性があります。 厚生労働省のリーフレットによると、ほとんどの子宮頸がんはHPV感染から始まります。

 

HPVは身近に存在する

HPVは身近に存在するウイルスです。厚生労働省の報告では、子宮頸部の細胞に異常がない女性のうち、10~20%程度の方がヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していると報告されています。また、海外では性行為の経験がある女性の50~80%が、生涯で一度はHPVに感染すると報告されています。

 

子宮頸がんの予防法
子宮頸がんは、感染症の観点から予防できるがんです。 WHO(世界保健機関)は、子宮頸がんの罹患率を2045年までに42%、2120年までに97%削減するという目標を掲げています。 これは、ワクチン接種率、検診受診率、治療率の向上によって達成可能であるとされています。
 

子宮頸がん予防のための具体的な方法
HPVワクチン接種: HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVへの感染を防ぐ効果があります。
子宮頸がん検診: 定期的な子宮頸がん検診を受けることで、がんの早期発見・早期治療が可能になります。 2023年度に6年ぶりに改訂されたがん対策推進基本計画では、がん検診受診率の向上を目標に掲げており、特に子宮頸がん検診については、3期から4期へ移行することで、受診率を50%から60%にアップさせることを目指しています。
精密検査の受診: 検診で異常が見つかった場合は、速やかに精密検査を受けることが重要です。 子宮頸がんを早期発見し、早期治療するためには、検診を受診することと、必要なときに精密検査を受けることが不可欠です。
 

子宮頸がん検診の最新情報
最近では、「HPV検査単独法」という新しい検診方法が注目されています。 これは、従来の細胞診検査に加えて、HPV感染の有無を調べる検査です。 HPV検査単独法は、がんのできるメカニズムに沿った検査方法であり、より高い精度で子宮頸がんのリスクを評価することができます。
 

子宮頸がんワクチンについて
子宮頸がんワクチンは、現在3種類が利用可能です。 2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンがあり、それぞれ予防できるHPVの型が異なります。 2024年2月改訂版の厚生労働省のリーフレットによると、世界の子宮頸がんワクチン接種率は国によって大きく異なり、フランス37%、ドイツ47%、イタリア32%、アメリカ61%、イギリス83%、オーストラリア82%、カナダ87%となっています。 一方、日本では10%程度と低い水準にとどまっています。

子宮頸がんは、予防可能ながんです。 HPVワクチン接種や子宮頸がん検診を積極的に受けることで、子宮頸がんから身を守りましょう。 また、今回の健康教室で得た情報を周囲の人にも伝え、子宮頸がんについての正しい知識を広げ、予防への意識を高めることが大切です。
福井県済生会病院の健診センターと産婦人科は、若い女性の健康を守ること=皆さんの家族を不幸から守ることと考えて日々努力しています。 子宮頸がんについて気になることや不安なことがあれば、気軽に相談してみましょう。

 

 


 

 


 


▮ 健診センターでHPV検査を希望される方へ

  HPV検査は「レディースドック」専用オプションでご用意しています。

  価格:3,300円(税込)  ※2025年4月から価格改定予定 

 

  >> レディースドック空き状況:2025年1月16日、2月20日、3月13日


当センターでは「レディースドック」を 毎月第3木曜 午後に8名限定 で行っています。

レディースドックでは、子宮頸がん検診、乳がん検診、HPV検査(限定オプション)で受けることができます。

 

その他にも女性特有の疾患の発見につながる検査を行っています。

空き枠も少なくなってきていますので、早めのご予約をお勧めします。

>>レディースドック

 

▮ 健診センターで子宮頸がん検診を希望される方へ

  申し訳ございません。2024年度は予約に空きがありません。お近くの医療機関にご相談ください。

 

 

 

▮ 福井県済生会病院でHPVワクチンの接種希望される方へ

  対象:HPVワクチンの3回目接種ができていない方(過去2回は接種が終わっている方)

完全予約制で行っていますので、事前にお電話でご予約をお願いします。
電話番号:0776-23-1111
お問い合わせ時間 月~金曜 8:30~17:00(土曜・日曜・祝日を除く)

 

 

 

 


福井県済生会病院 健診センター

電話番号 0776-23-1111(代表)

お問い合せ時間[月~金]8:30~17:00 

ご遠慮なくお尋ねください



0120-291-373(フリーダイヤル)
0776-28-8513(直通)

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