【健康経営】参加レポート「健康経営フォーラム~企業の健康づくりに向けた第一歩~」
「健康経営フォーラム~企業の健康づくりに向けた第一歩~」
福井商工会議所主催で健康経営フォーラムが開催されました。
2024年10月29日に福井商工会議所ビルにおいて、定員30名のところ満員となり22社の経営者や健康経営担当者が集まりました。
第一部としてアクサ生命保険株式会社 様から「健康経営優良法人認定制度の概要と申請支援制度のご紹介」がありました。
第二部の基調講演として福井県済生会病院 前野孝治 健診センター所長、土橋仁 理学療法士がそれぞれの立場から健康経営をすすめていくためのきっかけとなるような内容をお話しがありました。
第三部ではグループディスカッションを行い、健康経営の推進に向けた意見交換を行いました。
今回は第二部、第三部の概要をご紹介します。
演題:人間ドック(健診)のすすめ!~会社が社員の健康を守る~
講師:前野孝治 健診センター所長
資格:日本循環器学会専門医、日本高血圧学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医 など
企業における健康管理の重要性について健診医師、産業医の視点から解説しました。
少子高齢化による労働人口の減少が深刻化する中、企業が成長を続けるためには、従業員の健康を守り、長く働き続けられる環境を整える「健康経営」が欠かせません。職場における労働衛生基準の変更、化学物質規制の見直しもされてきています。このような状況の中で有効な一つの手段として、人間ドック(健診)が推奨されました。
人間ドックでは、生活習慣病やがんの早期発見・早期治療だけでなく、動脈硬化などのリスク評価も行うことができます。健診結果を正しく理解し、必要があれば医療機関を受診することで、重症化を防ぐことができます。
がんは、日本人の2人に1人が生涯のうちになんらかのがんに罹患するといわれています。福井県済生会病院の健診では、年間約100例のがんが発見されており、その多くが早期がんです。早期発見であれば、手術などの治療によって治癒できる可能性が高まります。
例えば、肺がんの最大の原因は喫煙です。禁煙と健診を組み合わせることで、肺がんの予防に効果が期待できます。 また、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病は、動脈硬化のリスクを高め、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患につながる可能性があります。
生活習慣病は、食生活や運動習慣などの改善によって予防することができます。特に、禁煙は健康寿命を延ばすために非常に効果的です。
健康経営は、従業員だけでなく、企業にとっても大きなメリットをもたらします。
●従業員の健康状態が改善され、生産性や創造性が向上する。
●医療費の削減、休職率の低下など、コスト削減につながる。
●企業イメージが向上し、優秀な人材の確保や定着につながる。
健康経営への取り組みは、企業の持続的な成長を実現するための重要な投資といえるでしょう。
演題:職員の肩こりや腰痛について考えてことありますか?~予防と改善でイキイキした職場を作る~
講師:土橋仁 理学療法士
調査によると、従業員の約半数が肩や腰の痛みを抱えており、放置すると業務生産性の低下につながることが指摘されています。特に、健康上の問題を抱えながらも出勤し、結果として生産性が低下してしまう「プレゼンティーイズム」は深刻な問題です。
驚くべきことに、従業員の健康問題による年間損失コストのうち、プレゼンティーイズムは医療費・薬剤費を上回るという調査結果もあります。肩こりはプレゼンティーイズムの要因第1位、腰痛も第3位にランクインしており、これらの問題が企業にもたらす損失は甚大です。
プレゼンティーイズムを予防し、従業員の生産性を向上させるためには、運動療法が有効です。具体的には、ストレッチや筋力強化、有酸素運動などを習慣化し、日々の姿勢にも気を配ることが大切です。1日8000歩を目標に歩くだけでも、腰痛予防に効果が期待できます。
福井県済生会病院では、従業員向けにストレッチプログラムを実施し、肩こりの改善や意識向上といった成果を上げています。参加者同士で情報を共有しながらプログラムに取り組むことで、継続にもつながりやすくなるようです。
経営者、担当者それぞれに感じている課題や行っている取り組みを共有しました。
ほんの一部ですが、以下のような課題がでてきました。
・経営陣の知識、理解の不足
・社内の周知が行き届かない、関心をもたれない
・社員が積極的に社内イベントに取り組むようにしたい
・健康を「自分事」と思ってもらいたい
・何から始めてよいかわからない。
情報共有を行っている中で、それぞれの会社で行っている素晴らしい取り組みを知れたことは有意義な時間だったと思います。
小グループだからこそ出てくる「生の声」こそ、課題の本質をとらえているようなに感じました。
健康経営を一つの会社で進めていくことは非常に労力がかかり、なかなか進まない状況です。
このようなフォーラムを通じてできた新しいつながりを生かし、健康経営をすすめていくことも重要なポイントだと感じました。
健康経営の取り組みをサポートしていくために、人間ドック、健康教育を行っています。
また、2024年度開催した担当者向けセミナー「健康管理スキル向上セミナー」を2025年度も開催することを検討してます。
お困り事がございましたら、ご相談ください。
福井県済生会病院 健診センター
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