ウェルネスデスク

【健康】頭の痛み、間違った対処法していない?

前回、頭痛は大きく分けて【一次性頭痛】と【二次性頭痛】二つに分かれることをお話ししました。自分の頭痛タイプを知っていただけましたか?

今回は、一次性頭痛の中の片頭痛と緊張型頭痛の原因・症状・対策についてお話します。

 

 

前回の内容はこちら

 

 

 

☆一次性頭痛☆                                                             片頭痛・・・比較的若い女性に多く、片側あるいは両方のこめかみから眼の奥にかけて、脈打つような痛みや嘔吐をともなう頭痛です。             痛み出すと半日ほど、長引く場合は3日間ほど続きます。

緊張型頭痛・・・「ヘルメットをかぶったような感じの頭重感」を感じ、姿勢の悪さや、ストレスが誘因となるといわれていて、首や肩の強いこり、めまい、全身のだるさがあります。

 

片頭痛

 

女性の割合は、男性の3.6倍

 

 

片頭痛に悩む患者さんのうち、男性と女性では女性のほうが3.6倍も多いというデータがあります。

女性に多い理由としては、女性ホルモンであるエストロゲンの存在が大きく関係していると言われています。

月経時に強い頭痛を感じている女性は「月経時片頭痛」と診断でき、エストロゲンの減少に伴い片頭痛が起きていると考えられるのです。

 

 

月経時片頭痛の特徴


 

今の時期に多い頭痛

 

雨の日に”頭がズキズキ””気分が落ち込む”

それってお天気頭痛のせいかも?

 

 

 



 

 

梅雨の時期や台風の季節など気圧が変化する時期に体調を崩す方は「お天気頭痛」かもしれません。

お天気頭痛の大きな要因は気圧です。季節の変わり目だけでなく、新幹線や飛行機の移動時、エレベーターの昇降時にも症状が現れます。

お天気頭痛の人は、気圧の変化による刺激がストレスとなり、交感神経の働きが高まり自律神経のバランスが崩れます。

その結果、脳が過剰に反応し、痛みを強く感じるようになります。

 

片頭痛の方は、天気の変化や気圧の変化で片頭痛発作が起きやすいと言われていますので、日頃から耳周りを温めたり、マッサージしたりする事で、血行を改善し、自律神経のバランスを整える事が重要です。

 


 

 

 

 


 

 

 

緊張型頭痛

 

緊張型頭痛には薬よりもリラックスを

 

 

緊張型頭痛は大きく①筋肉の緊張からくる頭痛と、②精神的緊張からくる頭痛に分かれます。

①筋肉の緊張からくる頭痛とは、後頭部から後頚部(首の後ろから肩にかけて)の筋肉の緊張により側頭部や目の奥まで重く鈍い痛みが広がります。

長時間うつむき姿勢でいることや、スマホやパソコンの長時間使用により肩や首のこりを伴い、目の疲れや全身倦怠感などが痛みとともに現れることもあります。男女比に差はなく、中高年に多い傾向があります。

→筋肉をリラックスさせるような体操やストレッチを継続し、日々の姿勢をただすことが重要

 

②精神的緊張からくる頭痛とは、仕事や家庭のことなど、急に忙しくなったりストレスがたまったりすることで頭痛を起こします。

その場合は、前額部を中心とした痛みになったり、頭全体が痛くなったりします。頭痛以外にも気分がすぐれない、夜眠れない、めまい、耳鳴りなどさまざまな症状があることが多いです。

→ストレスを発散する

 

 


国民の約1/3が頭痛持ちと言われています。

頭痛の診療ガイドライン2021では、片頭痛による仕事の能率の低下(プレゼンティーイズム)により国内で年間3600億~2兆3000億円の経済的損失が発生していると推測されています。プレゼンティーイズムの原因の第7位が片頭痛との事です。

 

 

頓挫薬には以前からあるトリプタン製剤の他に、2022年よりジタン製剤が加わり、薬の選択肢が増えました。

また、予防療法は、2021年よりCGRP関連抗体薬(注射薬)が登場しました。これまでの内服薬とは異なり、片頭痛の原因に作用するため治療効果は上がっています。

頭痛によって仕事や学校を休む、家事ができないなど日常生活に支障が出ている場合は、当院頭痛外来の受診をお勧めします。

 

 

脳神経外科部長 山﨑 法明

 

 
 

(参考:「頭痛の診療ガイドライン2021」,医学書院,2021年10月,P113


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