【健康】辛い花粉症の方に知ってほしい!花粉症の免疫療法
今回ご紹介する健康情報は、現在流行中の『花粉症』についてです。
花粉症とは、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応のことです。
春になると暖かく過ごしやすい一方、花粉を気にして外出するのが憂鬱な方も多いと思います。
花粉症を引き起こす植物は様々で、ヒノキやブタクサなどありますが、最も多いのが『スギ花粉』です。全体のおよそ70%を占めているそうです。
ピークが2月中旬から4月上旬で、例年くしゃみ、鼻づまり、鼻水などの症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
そんな辛いスギ花粉症に悩まされている方にぜひ知ってほしい治療法があります。それは、スギ花粉症の治療を自然経過で改善することができる『舌下免疫療法』です。
治療開始時期は5月中旬頃~12月頃と、花粉の飛散時期には治療を開始することができません。なぜなら、体をアレルゲンに慣らして症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法のため、スギ花粉の時期に開始すると花粉が大量に暴露されることになり、重篤な副作用を招く危険性があるからです。「なぜ症状が治まってきた今、花粉症の治療を?」と疑問に思われた方もいらっしゃると思いますが、今だからこそ始められる治療です。ぜひ次の春を快適に過ごせるように今からスギ花粉に備えましょう!
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲンを少しずつ投与し続けることで体をアレルゲンに慣らしていき症状を緩和していく
アレルゲン免疫療法の一つです。
従来の注射による皮下免疫療法のような痛みもなく、自宅で服用できるのがメリットです。
1ヵ月に1回受診していただき、症状等の確認やフォローをします。12歳以上で、スギ花粉症と診断された方が治療の対象となります。
治療方法
- 1日1回、治療薬を舌の下におとし、2分間そのまま保持します。その後、飲み込みます。
- 服用する前後2時間ほどは、激しい運動や飲酒、入浴は避けてください。
- 最初の2週間は徐々に薬を増量し、その後は一定量を毎日服用します。早ければ半年ほどで効果が出る場合もありますが、治療期間は効果を継続するために2~3年を目安としています。※まれに副作用としてショックやアナフィラキシーショックが起こることがありますので、その場合はすぐに当院救急センターを受診してください。
期待される効果
- くしゃみや鼻水、鼻詰まりの改善
- 涙目、目のかゆみの改善
- アレルギー治療薬の減量
- QOL(生活の質)の改善
治療前の検査費負担は約7,000円、毎月の受診とお薬で約2,000円の負担となります。※3割負担の場合
- まずは耳鼻咽喉科を受診してください。
- 問診、鼻の粘膜の検査、血液検査を行い、スギ花粉症と診断されれば治療に入ります。
※血液検査は1週間ほどで結果が出ます。
耳鼻咽喉科主任部長代行・副部長 清水 良憲