保険を使って『無理なく禁煙してみませんか!』
当院では、≪タバコが吸えない病院から、タバコがやめられる病院へ≫を合言葉に、禁煙教室・禁煙外来を開設しています。そろそろ禁煙をと考えておられる方・禁煙したいが一人では自信が無いという方・何度も失敗して禁煙するのを諦めかけている方……、そんな方たちのお役に立ちたいと思っています。
禁煙教室では医師・看護師・保健師・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士・事務員から成るプロジェクトチームが、各々の専門的立場からお話しします。ひきつづき禁煙治療を希望された場合には、禁煙外来で禁煙補助薬を使いながら継続的にきめ細やかなサポートをしていきます。
禁煙教室ってどんなところ?
『禁煙教室は、禁煙の第一歩として最初に参加していただく禁煙基礎講座です。』
禁煙外来ってどんなところ?
『禁煙教室を受講され、禁煙治療、支援を希望された方が、2回目以降に引き続き来ていただく外来です。』
料金は?
禁煙治療については、厚生労働省通達の条件を満たす方は、保険が適用されます。
(入院予定の方は入院前に禁煙治療を開始されると保険が適用されますが、入院してから禁煙治療される場合は保険適用されず、自費診療となります。)
料金の目安(院内で処方した場合)
禁煙 補助薬 |
初再診料 ・管理料 |
薬剤料 | 合計 金額 |
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ニコチン パッチ |
5,810円 (通院5回) |
7,430円 | 13,240円 | |
チャン ピックス |
5,810円 (通院5回) |
13,180円 | 18,990円 |
禁煙 補助薬 |
初再診料 | 薬剤料 | 合計 金額 |
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ニコチン パッチ |
5,000円 (通院5回) |
24,800円 | 29,800円 | |
チャン ピックス |
5,000円 (通院5回) |
43,990円 | 48,990円 |
教室の前に外来にて体重・血圧測定検査・
問診を行います
禁煙を始めるにあたって
タバコの中には、多くの有害物質が含まれています。その中の一つ、一酸化炭素は、酸素の250倍も赤血球中のヘモグロビンと結合しやすいため、血液の酸素運搬能を低下させ、慢性的に全身の臓器を酸素欠乏状態にさせてしまいます。
一酸化炭素は体内に蓄積され、吐く息の中に出てきますので、呼気中の一酸化炭素濃度を測定することにより、どれくらい体内に蓄積しているかがわかります。禁煙教室では、機械を使って、呼気中の一酸化炭素濃度を測定しています。検査は簡単で、1分ほどで行えます。
教室の後に外来にて禁煙補助薬を処方、
カウンセリングを行います
禁煙教室の予約方法
禁煙したい!と思ったらすぐ禁煙教室にご予約ください。
集団禁煙基礎講座
毎週木曜日13:30〜15:00
なでしこルーム
希望者にはパッチ処方
(初回の禁煙外来)
※禁煙教室のみの受講も可能です。
個人禁煙外来(再診)
カウンセリング/禁煙補助薬処方
禁煙は継続が大切です。
3ヶ月間に残り4回の再診となります。
受診の他にも電話支援を行います。
保険適用の条件
<条件に該当する場合> 保険診療による禁煙治療
※入院中の方は保険適用されず、自費診療となります。
<条件に該当しない場合> 自費診療による禁煙治療
ニコチンパッチ | ニコチンガム | チャンピックス |
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ニコチンパッチによる禁煙治療のスケジュール
※希望されれば2週間の処方追加が可能です。
診療内容
チャンピックス禁煙治療のスケジュール
チャンピックスの副作用
吐き気、便秘、鼓腸、頭痛、不眠症、へんな夢、眠気、めまい
チャンピックスの服用方法
ニコチンガムやパッチとの併用はできません。
禁煙の開始予定を決めその1週間前から服用します。
8日目に完全禁煙を開始します。
禁煙に成功した患者では長期間の禁煙をより確実にするために、
必要に応じて1mg錠を1日2回、12週にわたり延長(自費での治療)することができます。
なかなかタバコがやめられない
タバコをやめにくい原因はニコチンに強い依存性があるためで、「心理的依存(習慣」と「身体的依存(ニコチンへの渇望)」があります。
心理的依存:朝、コーヒーを片手にタバコを一服、仕事の帰り道に喫茶店でタバコを一服など、毎日の行動パターンの中にタバコが組み込まれていませんか。まずは、コーヒーを紅茶にしてみる、全席禁煙の喫茶店に入るなど、吸いたくなる行動を見直してみてはいかがでしょうか。
身体的依存:ニコチン切れにより起こる、以下のような症状のことです。
タバコの害、甘く見ていませんか?
タバコに含まれる3大有害物質はニコチン・タール・一酸化炭素です。
ニコチンは、全身の血管を縮めたり、詰まらせたりします。
タールは、いろいろながんの原因となります。
一酸化炭素は、全身の臓器を酸素不足にします。
直接タバコの煙にさらされる肺・口・のどの病気、ヤニの状態で、有害物質が付着する胃の病気はもちろん、タバコは血管の老化を早める、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなっています。喫煙関連疾患とは、喫煙が原因で起こる病気のことで、さまざまなものがあります。
肺がんで亡くなる人の70%は、タバコが原因?
タバコとの因果関係がもっともはっきりしているのは、肺がんです。日本人男性の場合、がん死亡者の5人に1人は肺癌で亡くなっています。その8割はタバコが原因で命を落としたと推測されています。ヘビースモーカーが肺がんになる確率は、タバコを吸わない人の15~25倍とされ、肺がんが発生するのは、60~80歳が多いのですが、40歳前後という若い人もいます。しかし、禁煙をすると、肺がんになる確率は、5年後には半分、10年後には1/10にまで低下します。
また、タバコの有害物質は、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、膀胱がんなどいろいろながんの原因にもなります。
動脈硬化・心筋梗塞など虚血性心疾患、脳血管疾患
タバコを吸う人の血管の老化は非喫煙者より早く進みます。ニコチンが、全身の動脈を収縮させます。血液中の悪玉コレステロールを増やし、一酸化炭素が血管の壁を傷つけ、反応が起こって厚くなっていきます。さらに、タバコは血液を固まりやすくするため、血のかたまりができ、細い血管に詰まってしまうことに。こうなると、太い血管もいつ詰まってもおかしくない状態です。
こうして、心筋梗塞などの心臓病、脳血管疾患を引き起こす原因になるのです。
胃・十二指腸潰瘍になる人は喫煙者に多い
タバコを吸う人は、ニコチンのために胃粘膜への血流が阻害され、酸素・栄養素が不足します。胃・十二指腸潰瘍になり易くなり、また治りにくくなり、さらには再発しやすくなります。
歯周病、歯や歯肉の黒ずみの原因はタバコにあり
タバコを吸う人が、ヤニで歯が黄ばんでいたり、口臭がタバコくさかったりするのはよく見かけます。さらに、ニコチンにより毛細血管に血流障害がおこるため、歯肉炎や歯周炎といった歯周病の原因になったり、メラニン色素が沈着して黒ずんだりすることもあります。歯周病は、歯を失う原因となる病気なので、注意が必要です。しかし、タバコを吸い続けている限り、煙に含まれる一酸化炭素により血液に酸素が不足し、新しい組織を作る力や有害物質に抵抗する力が落ちているため、歯周病を治すためには、禁煙が必須なのです。
ほんとうに、大勢でしょうか?非喫煙者の4人に1人は90歳まで生きますが、喫煙者では25人に1人しか生きられません。あなたが長生きできる、保証はありません。
あなたが毎日吸っているタバコには、3大有害物質以外にも、砒素、カドミウム、ダイオキシン類など体に有害な物質が200種類以上も含まれています。1日20本タバコを吸っている人は、砒素や他の毒物を毎日20回、お茶に入れて飲んだり、焼却場の近くで、思い切り深呼吸してダイオキシン類を吸い込んだりしているのと同じことですよ。
常習喫煙者の多くは、70歳を前にして、何らかの喫煙関連疾患で亡くなっています。
自分は大丈夫って、言い切れますか?
本当です。タバコを吸うと、歯茎は黒ずみますし、皮膚へ酸素や栄養が行き渡らない、老廃物が取り除かれにくいなどの原因で、顔色は黄ばみ、しわもできやすくなります。生理不順や、閉経が早まるといった悪影響もわかってきました。更年期以降の女性に起こりがちな骨粗しょう症も喫煙している女性に多いと言われます。もちろんタバコを止めれば、血色が良くなり、若やいで見えるようになります。禁煙を始めてしばらくすると、「肌がきれいになったね」と、周囲から声をかけてもらえるはずです。
喫煙により、心筋梗塞や脳梗塞などの死亡リスクが高まります。喫煙者がピルを使用すると、さらに血管が詰まりやすくなるためそのリスクはさらに高まり、くも膜下出血や静脈血栓のリスクも高まります。
喫煙者本人が口をつけて吸い込む煙(主流煙)には、4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち200種類以上が有害物質、約60種類が発ガン物質です。しかし、タバコの先端から立ち上がる煙(副流煙)には、主流煙に比べて、さらに多くの有害物質が含まれています。(例えばタール3.4倍、ニコチン2.8倍、一酸化炭素4.7倍といったように)しかも、非喫煙者は、有害物質に対してしばしば敏感で、喫煙者に比べてダメージを受けやすいのです。
受動喫煙は、目の前でタバコを吸わなければ防げるというものではありません。タバコの煙は非常に小さな粒子であるため、粒子の大半は何時間も空気中に漂っています。また、喫煙者が吐く息(呼出煙)には30分以上に、わたって毒物が含まれています。受動喫煙の大半は、こうした煙を知らず知らずに、長時間にわたって吸うことによって起きているのです。
まず、心配されるのは、不妊、流早産、分娩時のトラブルです。さらに低体重児や未熟児が生まれたり、子供の発育に影響したりもします。低体重児は、ただ体重が少ないというだけでなく、知能発達も含めた発育全体に悪影響を受けている可能性もあります。乳幼児突然死症候群の原因の一つが、妊娠中の本人や周囲の喫煙であることも明らかになっています。タバコの何が胎児に影響を与えるのかは、今のところはっきり分かっていませんが、ニコチンが胎盤を通過して臍の緒から胎児の体に入っているということ、さらに胎児を包んでいる羊水にもニコチンは含まれているということから、タバコが胎児に何らかの影響があることは間違えありません。
タバコによって引き起こされたり、悪化したりする可能性があるものとして、喘息・気管支炎や中耳炎があります。タバコの煙によって、のどや耳の中の皮膚や粘膜が刺激されるので、炎症が生じやすくなるからです。また、知能の発育が遅れたり、ニコチン依存症に近い症状がでてきたりすることもあります。
子供の前でタバコを吸っていて、最も困ることは、その子供が喫煙者になりやすいことです。子供を喫煙者に育てないためにも、両親特に、母親の禁煙は重要です。
タバコに関する間違った知識を見直してみよう!
うそです。パッケージの表示量は、機械を用いて、1分間に1回、2秒間、35ccだけ吸い込むような条件で測定した場合のニコチンやタールの量です。しかもフィルター部分の紙に穴をあけることで、新鮮な空気をたくさん吸い込んで測定値を低くごまかしています。ふつうの喫煙者は、1分間に20秒間、50~60ccくらい吸い込んでいますので、表示の何倍ものニコチンやタールを取り込む結果になります。「軽いタバコ」になると、表示量の100倍から150倍ものニコチンが含まれています。
そもそも喫煙は体が要求するニコチンを取り込むのが目的なので「軽いタバコ」に変えてもニコチン、タールの吸収量は減少しません。逆に一酸化炭素などの有害物質の吸収量は増加することもあり、「強いタバコ」よりも有害な場合が少なくありません。実際、軽いタバコを吸う人には心筋梗塞が多い、肺がんの発生は変化なし、などの調査結果が報告されています。
本数を減らせばその分の有害物質の吸収量は減るように思われますが、実際は本数を減らすと、これまで以上に、1本、1本を丹念に吸う(無意識のうちに、煙を深く、長く吸い込む)ようになりがちです。その結果、ニコチンをはじめとする有害物質の摂取量は変わらないどころか、しばしば逆に増加するという結果になります。健康を考えるなら、きっぱりやめるしかありません。
タバコを吸っている限り、ストレスから解放されることはありません。喫煙者では正常な脳内神経伝達物質が出ないので、ニコチンが切れると、抗不安作用のあるセロトニン、多幸感を生むドーパミン、興奮作用のあるカテコールアミンが出なくなるため、これをストレスに感じます。タバコを吸うとしばらくの間だけ正常(タバコを吸っていない人の普通の状態)に戻るため、一時的にストレスが解消されたような気になるのです。つまり、次のタバコを吸えないことがストレスになっているのであり、タバコを吸ってストレスがなくなるわけではありません。
いいえ。タバコを吸うと血液中のニコチンや一酸化炭素濃度が上昇するため、脳も酸素欠乏になります。大脳の細胞が低酸素状態になるので、仕事の能率は下がってしまいます。
さらに、喫煙者の集中力はタバコを吸った後は非喫煙者と同等ですが、ニコチン切れになると、イライラして集中力は低下してしまいます。また、タバコを吸うために何度も席をたつことも、仕事の能率が低下する原因になります。また、労働災害のリスクが高まります。
タバコをやめるとすぐに、あなたの体にいろいろなよい変化(禁煙の効果(宝物))が起きます!
禁煙は、何歳からでも遅くありません。今すぐ禁煙を始めましょう!
禁煙するとこんなにいいことがあるよ!
毎日20本(1箱=460円)吸う人のタバコ代は、1ヶ月で14000円、1年で17万円、10年で170万円、20歳から吸い始めたとして、一生(60年)で1000万円になります。毎日50本吸う人では、禁煙すれば10年で400万円、一生(60年)で、2500万円のお小遣いができます!
今や公共の施設を中心に禁煙化・分煙化が進み、喫煙する場所はどんどん少なくなっています。思い切って禁煙してしまえば、タバコを吸える場所を求めて歩き回る必要がなくなりますし、きれいな空気の座席で快適な旅ができます。
やめたくてもやめられない人が多い中、みごとに禁煙を達成したあなたは、素晴らしい人です。周囲のあなたを見る目が違ってくること請け合いです。あなた自身も、大きな喜びと自信が得られるでしょう。家族をはじめとする周囲の人たちに、「迷惑をかけている」という後ろめたさもなくなります。
タバコの先端から立ち上がる煙(副流煙)には、禁煙する本人が口をつけて吸い込む煙(主流煙)よりも、はるかにたくさんの有害物質が含まれています。
あなたが家庭や職場でタバコを吸うことにより、有害物質を撒き散らし、周りにいる人たちの健康をむしばんでいます。例えば、1日20本タバコを吸う男性の妻が肺癌になるリスクは、非喫煙者の妻の1.9倍です。
また、現代の住宅は機密性が高くなっていますので、部屋の中でタバコを吸えば、またたく間に空気が汚れてしまいます。例えば、シックハウス症候群で取りざたされる有害物質ホルムアルデヒドは、タバコを1本吸えば、住宅などの建材から蒸散する量と比べものにならないほど、高い数値になります。
タバコの煙は非常に小さな粒子であるため、粒子の大半は何時間も空気中を漂っていますし、壁やカーテンに染み付いたタバコの煙も室温が上昇するとそのたびに有害物質がそこから蒸散し、たばこを吸った場合と同じような悪影響がでます。(これを「三次喫煙」といいます)あなたの大切な人の健康を守るためには、禁煙しましょう。
喫煙中は、タバコのヤニが混じった「たん」を知らず知らずのうちに飲み込んで胃がむかつきがちですが、タバコをやめると胃がすっきりして健康になるため、ごはんがおいしくなります。これは、喫煙中はニコチンがアドレナリンの分泌を促して血液中のブドウ糖が増えていたため空腹感をあまり感じなかったのが、禁煙すると空腹感を感じるようになる、というのも一因です。
禁煙して2〜3週間すると肌がすべすべになり化粧の、のりもよくなります。
喫煙していたころは嗅覚が鈍くなっているため、臭いをくさいとは感じていなかったでしょう。でも、禁煙を始めると、タバコの臭いに敏感になり、かつての自分がいかにいやな臭いを発していたかがわかります。
タバコと口臭の関係も見逃せません。喫煙者が歯周病に冒されるリスクは、非喫煙者の2~9倍。こうした病気も、気になる臭いのもとになります。
たばこをやめると、すぐに体に良い変化が起こり、禁煙の効果(宝物)が得られます。
禁煙の効果(宝物)=タバコをやめて実感できる良いこと=
20分後 | 血圧が正常化し始める、頻脈が改善する、手足の皮膚温が上昇する |
8時間後 | 血液中の酸素濃度が増加し始める |
24時間後 | 心筋梗塞・狭心症になる確率が下がる |
48時間後 | 味覚・臭覚が回復し始める |
72時間後 | ニコチンが身体から完全に消える、気管支が広がって呼吸が楽になる |
2~3週間後 | 循環が改善する、歩行が楽になる、肺機能が30%アップする、肌がすべすべになる |
1~9ヵ月後 | せき・たん・易疲労感・息切れが改善する、呼吸器感染が減少する |
5年後 | 肺がんになる確率が半分になる |
10年後 | 肺がんになる確率が1/10になる |
禁煙に伴うからだの変化と対処法を教えて!
禁煙すると、2~4kg程度体重が増加する人が多いようです。しかし、この体重増加は、やつれていた体が正常なみずみずしい状態に戻っていく変化なのでそれほど心配をする必要はありません。
体重増加の要因としては、以下のことなどがあげられます。
それでも、体重増加が気になる人は、普段の食事内容を見直すことで体重コントロールは十分可能です。毎日の食事の中で、主食・主菜・野菜の副菜が揃う、栄養バランスの整った食事を意識してみましょう。
また、間食についても体重増加を防ぐための工夫がいくつかあります。
当院の禁煙教室では、管理栄養士が体重をコントロールするための食事内容について、具体的にお話ししています。(食事をする時のポイント、間食の摂り方や内容、カロリーコントロール食品の紹介など)
教室終了後には個別の質問も受けており、患者さんひとりひとりに見合う食事量などのお話もできます。どうぞ気軽にご相談ください。
ニコチンには腸を刺激する作用があり、便通がスムーズだったことが多いかもしれません。しかし、腸本来の働きや腸内環境のことを考えると、これは決して正しい方法ではありません。
規則正しく食事をし、食物繊維を積極的に摂取することで、健康的に排便のリズムを作りましょう。禁煙教室の中でも、管理栄養士が便秘の対策法をお話します。
肺が正常に向かっている証拠です!タバコをやめたことで気道の絨毛の機能が回復し、活発に動き出したためです。私たちが吸い込んだチリやほこりや細菌は、この働きによって、痰となって身体の外に排出されます。色の濃い痰が出てくるのは、長期にわたる喫煙の中で、肺の中にたまりにたまったタバコのヤニが出始めたからです。一時的な現象ですから、心配することはありません。
禁煙を成功させるコツは?
禁煙を始めるにあたって、一番不安に思っていることはなんでしょうか?例えば、「禁断症状が怖いなぁ」「自分は、意思が強くないから・・・」というのであれば、禁煙補助薬を使った禁煙方法をお勧めしています、ニコチンパッチやチャンピックスは、つらい禁断症状を軽くしてくれるので、禁煙がしやすくなります。ただし、あくまでもタバコが嫌いになるお薬ではないので、絶対禁煙したい!という明確な意思は必要です。 まずは、禁煙教室に来られてみてはいかがでしょうか。
さあ、禁煙補助薬を使って、禁煙を始めよう!
禁煙しようかな、と思った時にまず考えるのが、「禁断症状は辛い!!」ではないでしょうか。この禁断症状を軽減してくれ、禁煙しやすくしてくれるのがニコチン代替療法です。ニコチン代替療法とは、ニコチンを、タバコからではなくニコチンパッチやニコチンガムで補うことで、ニコチン切れによる禁断症状を和らげてくれます。
ニコチンは、体内への取り込みが急激な場合に、快楽中枢を刺激し脳に依存性を形成するように働きます。タバコからのニコチンが血液中に「大量に」「瞬時に」流入するのに対し、ニコチンパッチやニコチンガムでは「少量ずつ」「ゆっくりと」血液に移行するため、脳の依存から解放してくれるのに役立ちます。ニコチンは確かに有害ですが、少量、ゆっくりであれば体への影響は少なく、タバコに比べればはるかに安全です。しかも期間を限定して使用するため、急性期の脳梗塞や心筋梗塞の場合を除けば、安心して使えます。
また、ニコチンパッチやニコチンガムの成分は、「ニコチンだけ」です。タバコと異なり、タールや一酸化炭素といったニコチン以外の有害物質は含まれていません。
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)は医師の処方箋が必要なお薬です。先ずは、禁煙を支援されている病院、または医院にご相談されるのがよいかと思います。一方、ニコチンガム(二コレット)はお近くの薬局(ドラッグストア)で購入することができます。使い方については、お求めになった薬局(ドラッグストア)の薬剤師に相談されるのもよいでしょう。
当院の禁煙教室では、ニコチンパッチ、ニコチンガムの使い方を説明し、個別の質問にもお答えしています。お気軽にご相談ください。
ニコチンパッチがお勧めの方
ニコチンパッチは持続的にニコチンを体内へ吸収させるので、吸いたい気持ちを起こりにくくしてくれます。
ニコチンガムがお勧めの方
ニコチンガムは噛むことによって口寂しさを解消できますし、ニコチンガムは、ニコチンパッチに比べニコチンの吸収が早く、ガムを捨てればニコチンの効果はなくなりますので、ニコチンが欲しい時に、欲しい分だけニコチンを摂取することができるというのも良いところです。また、ニコチンガムには体重増加をおこりにくくする効果もあります。
手術前には禁煙しよう!
喫煙者の肺には慢性的な炎症がおきています。これに全身麻酔での手術が加わると肺への負担はさらに高まり、おまけにベッドでじっとしていると、痰がたまり細菌が感染して肺炎をおこします。一旦肺炎をおこすと発熱やだるさ、息苦しさのためにますますじっとしていることが多くなって肺炎はさらに悪化し、呼吸障害、全身臓器の酸素不足、低栄養に陥り、ついには重大な合併症を引き起こし…最悪の場合、命に関わることもあります。全身麻酔の手術において、喫煙者が肺炎などの呼吸器に関連する合併症を発生する確率は、非喫煙者に比べて2倍から4倍高くなります。喫煙に加えて肥満、糖尿病、慢性肺疾患、心臓病などがあるとその発生率はさらに高まります。ただ、手術を受けられない方でも糖尿病、肺気腫、脳梗塞、心疾患、消化性潰瘍、がんなどの治療効果が低下するため、病気の診断を受けた時点で禁煙を開始することをおすすめします。
手術前8週間が理想的ですが、時間的に無理な場合もあります。それでも最低2週間の完全禁煙は必須です。不完全な禁煙(タバコの本数を減らしたり、吸ったり吸わなかったりすること)はまったく効果がありません。もし手術前の禁煙が不十分であった場合には、手術を延期させていただくこともあります。
特に手術をするすべての方に禁煙は必要ですが、全身麻酔の手術をされる方は必須です。
しかし、他の手術を受けられる方も手術後の傷の治りに関して喫煙によって悪くなる(傷が治らない、汚くなる)ことがわかっています。あなた自身だけでなく、ご家族の思いを大切にするためにも、術後の順調な回復を目指して、是非今日から禁煙して手術に備えてください。
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