下部消化管(大腸)グループでは、消化器外科専門医、大腸肛門病学会専門医が主に診療を担当しています。診断から手術を中心とした治療、その後のフォローまで一貫してチーム医療を行っています。
主に診療している疾患は大腸がんと炎症性腸疾患、肛門疾患です。
がんの進行度を内視鏡検査やPETで正確に判断し的確な手術術式を選択しています。年間約150例の大腸癌の手術をおこなっています。腹腔鏡手術や肛門機能を温存した手術を採用しています。また直腸がんでは神経温存手術採用し、排尿機能・性機能を保持するようにしています。進行がんに対しては、抗癌剤治療や放射線治療も併用し集学的な治療をおこなっています。
永久的だけでなく一時的にも人工肛門(ストーマ)が必要となる際には、術前から専門看護師が介入し指導と説明をおこない、術後も快適に過ごせるようにしています。また人工肛門の患者会(虹の会)もあり患者さん同士のつながりもサポートしています。手術後の経過観察は病診連携システムを有効に活用し、かかりつけの医師と同時に大腸がん術後連携パスを使用して綿密に患者さんをサポートしています(かかりつけ医と当院主治医の2人主治医制をとっています)。抗癌剤治療では当院のアメニテイールーム(外来化学療法室)を使用して外来で点滴加療をおこなっています。また、全国で行われている臨床試験にも参加し、新しい治療や抗癌剤などを当院でも受けることが可能となっています。
また、経過中に再発をきたした場合でも再手術ができないかを検討し、不可能な場合は抗癌剤治療や放射線治療を選択します。がんによって、からだやこころの苦痛があれば緩和ケア医師と連携をとり、そのような苦痛をコントロールしながら治療を継続していきます。緩和ケア病棟(ホスピス)や在宅ターミナルケアにも関与し、最後まで責任をもって診療していきます。
主に若い患者さんに多い特定疾患(いわゆる難病)に指定されている病気で、また長期にわたる加療が必要になります。診断、治療、外来通院まできめ細かな診療が必要になってきます。病状や就労環境などもふまえて、個々の患者さんにとって一番良いと考えられる治療を提案しています。クローン病の患者会も開催していて患者さんに正しい知識や情報を提供し、食事指導も含めてサポートしています。福井県内各地よりご紹介いただき、消化器内科とも連携して加療しています。
肛門疾患に対する専門的な診断・治療・手術を行っています。脱肛・痔核では病態に合わせて硬化療法や根治手術を施行しています。痔瘻に対しては術後の肛門弛緩を防ぐために括約筋温存術やシートン手術を採用しています。裂肛に対しては程度に応じて用手拡張やスライディング法を適応しています。直腸脱に対しては脱出腸管や粘膜を切除する手術だけでなく、脱出長の長い患者さんには腹腔鏡を用いた直腸固定術も行っています。また、高齢化社会に伴い便失禁で悩まれる方も多く、骨盤底筋体操の指導やSNM(仙骨神経刺激療法)という電気的に肛門括約筋を強化する最新治療も行っています。
消化器内科の医師と連携し、最も適した治療を検討します。
広報誌「かけはし」 特集:ほうっておくと危ない!検便の「要」精密検査
顧問
三井 毅
(みつい たけし)
免許取得:昭和54年
副院長 診療部長
宗本 義則
(むねもと よしのり)
免許取得:昭和59年
外科部長
高嶋 吉浩
(たかしま よしひろ)
免許取得:昭和62年
外科主任部長
天谷 奨
(あまや すすむ)
免許取得:平成7年
外科副部長
斎藤 健一郎
(さいとう けんいちろう)
免許取得:平成13年
外科医長
島田 雅也
(しまだ まさなり)
免許取得:平成16年
受診について