肝胆膵外科グループでは、肝臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌などの悪性疾患や、胆石症をはじめとする良性疾患など肝胆膵領域の多岐にわたる疾患に対して診療を行っております。CT、MRI、内視鏡検査、PET-CT検査などによる正確な病気の診断や進行度をもとにして各疾患の診療ガイドラインや当科で行ってきた臨床研究の成果に基づいて患者さんのQOLに配慮した治療を行っております。
私たちは次の3つのことを大切にしています。
肝胆膵外科領域では病気の背景に慢性肝炎,肝硬変,閉塞性黄疸、膵炎などがあることが多く、患者さんの病態が複雑です。肝胆膵領域のがんに対する治療では、正確な診断、術前処置(黄疸をとる内視鏡的な処置など)、手術、術後管理、補助療法(化学療法、放射線治療など)が求められます。これには消化器内科、放射線科、病理医などとの緊密な連携が不可欠であり私たちはこれを大切にしています。高難度な手術を安全に行い、患者さんに良い結果をもたらすよう各科のエキスパートと連携して万全の準備を整えて手術を行うようにしています。また当院では集中治療室、NST(栄養管理)チーム、腫瘍内科(抗がん剤治療)、放射線治療センター、緩和ケアチーム、精神科などがん治療を支援する診療科や院内の専門チームが充実しています。
最新式の超音波(エコー),CT(MDCT),MRI,PET-CTなどの診断機器を備えています。私たちはこれらの機器を駆使して,病気の状態を正確かつ速やかに診断するように努めています。毎週行われるカンファレンス(症例検討会)で患者さん一人一人の画像を詳細に検討し,病気の状態の正確な診断と適切な治療方針を総合的に決定しています。
手術は進化し手術手技は向上するものと考え、私たちは手術の安全性・根治性を高めるよう工夫を重ねています。手術の結果や切除した臓器の病理組織診断をもとにして院内で定期的に症例検討会を行い、術前の診断の妥当性や手術術式の妥当性を再確認します。
また、国内の肝胆膵外科専門機関と連携・交流を促進し、技術、知識の向上に努めています。
低侵襲外科手術として内視鏡外科技術の進歩はめざましいものがあります。近年、肝胆膵領域の腫瘍に対しても先進的な施設で内視鏡外科手術が応用されるようになってきました。当院でも胆嚢結石症に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術をはじめとして、肝腫瘍、膵腫瘍に対する腹腔鏡下肝切除、膵切除手術をすでに導入しています。患者満足度の高い内視鏡外科手術を安全に提供できるよう修練を行っています。
顧問
三井 毅
(みつい たけし)
免許取得:昭和54年
外科副部長
寺田 卓郎
(てらだ たくろう)
免許取得:平成11年
外科医長
山田 翔
(やまだ しょう)
免許取得:平成23年
■肝臓
拡大肝葉切除、肝葉切除、区域切除、亜区域切除 … 16例
肝部分切除 … 17例
■胆道
胆管切除を伴う肝切除 … 2例
胆嚢摘出術 … 122例(うち、胆嚢癌手術 5例)
胆管切除術、先天性胆道拡張症手術 … 2例
■膵臓
膵頭十二指腸切除術 … 31例
膵体尾部切除術 … 11例
膵全摘出術 … 3例
■脾臓
脾臓摘出 … 1例
■その他
うち 日本肝胆膵外科学会が示す肝胆膵高難度手術 … 66例
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