私たちは栄養を摂取し、消化し、吸収し、そして体内で利用します。体内での利用がおわり、再利用もできなくなった老廃物を捨てるための臓器が、腎臓です。腎臓は血液中から老廃物をふるいわけますが、一緒に大切な栄養素が体外へ抜けてしまわないよう二重三重のシステムをもって濾過と再吸収を行っています。
腎臓内科は、腎臓がみなさんの体を生涯にわたって支え続けられるのか評価し、腎臓を守るための術をみなさんとともに考えさせていただくチームです。
老廃物を捨てる装置の数そのものが減ってきていないか、当廃物をふるいわける濾過膜が傷んでいないか、再吸収システムが不適切な働き方をしていないか、採血/検尿/画像検査をもって推測します。腎機能の低下が急峻な方や、採血/検尿/画像検査だけでは判別がつかない場合などは、腎臓に針を刺すことでサンプルとして組織を採取し顕微鏡にて評価を行います。
特殊な疾患には個別の治療を行いますが、排泄装置である腎臓を守るにあたっては共通した対応法が定まっています。それはすなわち「腎臓に無理をさせないこと」となります。腎臓が苦手とする仕事の一つが塩分(ナトリウム)の排泄です。患者さんや支援者の協力は不可欠となりますが、いかに生活の質を下げることなく口から接種するナトリウムを減らしていくか、看護師/栄養士とともに知識提供を行っています。その他、さらに濾過膜が傷まぬよう禁煙指導、家庭血圧の管理、血糖・コレステロールなどの管理を徹底していきます。
なかなか生活を変える事は難しいですし、時間もかかります。また生活の工夫だけでは腎臓を守りきれないこともあります。その際に活躍するのがお薬です。また、漫然と使用してきた痛み止めや健康のためにと考え継続されているサプリメントが腎臓にとって負担となっているケースもあるため、薬剤師とともに包括的な処方調整を提案することもあります。
こうした腎臓を大切にしようとする取り組みは、腎臓の寿命を延ばすばかりではなく、おのずと心臓にも脳にも優しい効果をもたらします。心身ともに長生きいただくと、時には先に腎臓が寿命を迎えてしまう事もあります。その際には患者さん個々の人生計画にあわせ腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)を提示いたします。
腎臓の健康状態は、糸球体濾過量(GFR)と蛋白尿の二つで評価します。
下図の黄色~赤色に該当するかた、緑のゾーンであっても急峻にGFRが低下されている方は腎臓専門外来への紹介受診を推奨しております。
福井県では、より簡便な受診基準として以下の4項目に該当する方の紹介受診を推奨しております。
特殊な病態をもった方には、最新の見識にキャッチアップした医療提供を行っています。
内科医長 血液浄化療法センター長
上川 康貴
(かみかわ やすたか)
免許取得:平成20年
内科医師
潮木 保幸
(うしおぎ やすゆき)
免許取得:昭和55年
内科医長
加藤 珠代
(かとう たまよ)
免許取得:平成6年
内科医長
梶川 尚
(かじかわ しょう)
免許取得:平成29年
受診について