前立腺がん

腹腔鏡下前立腺全摘除術

治りが早く、手術の制度も向上  腹腔鏡下前立腺全摘除術

見づらい位置にある
前立腺をカメラで捉え制度の高い手術を

50歳以降の男性に多い前立腺がん。その治療法の一つに、前立腺全摘除術があります。これは前立腺と精嚢を切除し、膀胱と尿道をつなぎ合わせる手術。転移のない早期の前立腺がんにおいて根治の可能性が高い治療法です。これまでは開腹手術が一般的でしたが、近年になって徐々に普及してきたのが腹腔鏡による手術です。腹腔鏡下手術は体への負担が少ない低侵襲手術の代表格で、前立腺全摘除術では腹部に5カ所の穴をあけて施術します。おなかを大きく切らないため、傷が小さく回復が早いのが大きな利点。出血量も抑えられます。

前立腺がんは高齢の患者案の割合が高いこともあり、身体的負担を軽減できる腹腔鏡下手術のメリットは大きいといえるでしょう。また、前立腺は骨盤の奥深くの非常に見えづらい位置にありますが、腹腔鏡を使った手術はカメラで拡大した画像を見ながら施術できるので、開腹手術に比べ患部の微細な状態を確認できる点でも優位性があり、手術の精度向上にもつながっています。

患部を拡大してうつすモニターをみて、微細な状態を確認しながら施術
患部を拡大してうつすモニターをみて、微細な状態を確認しながら施術
腹部は切らずに、5カ所の穴をあけて施術

腹部は切らずに、5カ所の穴をあけて施術。身体的負担を軽減。

前立腺全摘徐術

前立腺全摘徐術
膀胱と前立腺を離脱

膀胱と前立腺を離脱。

右矢印
前立腺と尿道を離脱

前立腺と尿道を離脱。

右矢印
膀胱と尿道を縫合

膀胱と尿道を縫合。

一定の基準を満たした病院のみで保険診療

一方で、前立腺は周囲に血管や神経が密集しているため、腹腔鏡下手術は確かな手技や経験が必要となる難易度の高い手術です。よって執刀できる医師のいる病院は限られています。厚生労働省では平成18年4月より、手術の技量や経験など一定の基準を満たした施設のみを保険認可。北陸で認定を受けているのは、4施設となっています(平成24年7月現在)。
施設認定を取得していない施設では全額自費診療となりますが、当院では平成23年8月に施設認定を取得。保険診療で当手術を受けられます。当院の腹腔鏡下手術は確かな技術研修を受けた医師たちによるチームで行われ、順調に手術実績を重ねています。

確かな技術研修を受けた医師たちによるチーム

将来はロボット手術も

開腹手術から腹腔鏡下手術へと進化を遂げてきた前立腺全摘除術ですが、近年、注目を集めているのがロボット手術です。ロボット手術とは鉗子やメスを取り付けたロボットアームを遠隔操作する手術法。ロボットアームは人間の手より動きの自由度が高く、視野も確保しやすいため、より精度の高い手術が可能となります。アメリカではすでに主流となっており、日本でも平成24年4月より保健診療となりました。

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