肝がん
肝がん診療体制
肝がんの予防と検査
予防の第一歩は、原因や生活習慣を改善することなどで肝がんの発症を防ぐ一次予防。B型・C型肝炎のウイルスチェックや禁酒、生活習慣の改善などにより、発症率を低減できます。続いて健康診断やがん検診により、がんを早期発見・早期治療する二次予防。がんの危険因子である肥満や糖尿病、喫煙習慣のある人は特に注意が必要です。
肝がんの検査法の一つが腫瘍マーカー検査です。がんになると血液中で特異的に増える物質の数値を測定し、がんのスクリーニングを行います。
エコー、CT、MRIなどの画像診断も肝がんの発見に有効です。前述のNASHも、初期段階だと血液検査での発見は困難ですが、健診等のエコー検査で早期発見が可能です。近年では造影剤や機器の進化により、MRI検査の精度が向上。これまで画像で捕らえられなかったがんやその予備軍となる腫瘍を見つけることが可能となり、早期発見につながっています。
MRIによる肝がんの画像診断
造影CTでは見えにくい、前がん病変や早期肝細胞がん、血流に乏しい(乏血性)肝細胞がんが、(Gd-EOB-DTPA)造影MRIで、造影剤を取り込まない結節として、鮮明に描出される。
様々な角度から肝がんに向き合う
当院は県内唯一の「肝疾患診療連携拠点病院」として、肝がんをはじめとするさまざまな肝疾患治療に多職種で取り組んでいます。肝臓学会認定医が内科で6名勤務しているほか、外科、病理診断科、放射線科に肝臓をエキスパートとする医師が在籍。福井県における先進の肝臓診療を担っています。
- その他、代表的な肝がん診療
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- 肝がんには、TACE、肝切除術以外にも様々な治療法があります。
○RFA(ラジオ波焼灼療法)
先端からラジオ波が出る特殊な針を体外から肝がんへ刺す治療法。ラジオ波から発生する熱でがんを焼き、死滅させます。○バイボラーRFAシステム
RFAの進化版。複数の針を刺すことで広範囲の焼灼が短時間に行えるようになりました。がんに直接針を刺さずに大きな腫瘍や肝臓表面の腫瘍を焼灼できます。○リザーバー留置下肝動注化学療法
肝臓の動脈にリザーバーという器具を留置し、カテーテルを通して肝がんに栄養を共有している肝動脈に抗がん剤を投与します。肝動脈に直接投与することで高い治療効果が得られます。
肝疾患相談支援室、肝ぞう教室も
肝臓病に関するあらゆるご相談にお応えする肝疾患相談支援室も開設。担当看護師、医療ソーシャルワーカーがお話をお伺いし、内容に応じて肝臓専門医、各専門スタッフがお応えします。
さらに、肝疾患に関する正しい知識と情報を提供するため、「肝ぞう病教室」を開催しています。肝疾患の中でも患者数の多い慢性肝炎、肝硬変・肝臓がん、アルコール性肝炎・脂肪肝、そして肝臓病全般にわたる総論、といった4つのテーマを月替わりで行っています。
肝がんは一度かかったら経過が長く、長期間にわたって検査や治療が必要となります。当院ではさまざまな角度から肝がんにアプローチし、患者さんに寄り添う診療・ケアに取り組んでいます。
肝ぞう教室のご案内
肝臓に関する正しい知識と情報を提供するため、専門スタッフによる教室を開催しています。
お気軽にご参加ください。
※感染対策のため、現在休止中です
- 日時
- 毎月第2木曜日 10:30〜12:00
- 場所
- 南館1階 メディカル情報サロン
- 対象者
- どなたでもお気軽にご参加ください。(申し込み不要)
- 参加費
- 無料