腎がん

腎がんについて

がん疾患名

腎がん

早期発見・治療で根治も可能な腎がん

腎がんは、50~70歳台の男性に多いがんです。血尿がでる、腹部を触ると塊のようなものがある、痛みを感じる、というのが昔から言われている主な自覚症状。最近は検診や他の疾患の検査中に偶然見つかることも増えてきました。10万人あたりの発生率は男性で7人、女性で3人程度と決して多くありませんが、危険因子を持っていると発生率は跳ね上がります。その一つが肥満で、発生率は最大4倍に。喫煙や高血圧も危険因子に数えられています。また、人工透析を行っている人も発生率は高くなっています。
腎がんは、がんの中でも比較的治しやすいがんだと言われています。統計によると、早期発見・早期手術で取り除くことができた場合の腎がんの5年後の生存率は100%近く。再発も少なく、根治の可能性が高いがんだと言えるでしょう。

腎臓と周囲の臓器

病状に応じて選ぶ腎がんの治療法

腎がんは放射線や従来型の化学療法はあまり効果が期待できず、治療の第一選択肢は外科手術となります。手術の方法は腫瘍の大きさや部位、転移の有無などによって決定します。腹腔鏡による手術は腫瘍の大きさが7センチ以下、がんが腎臓のみに留まっている場合(ステージΙ)に適応となります。腎部分切除術の適応は腫瘍の大きさが4センチまで(T1a)で腎外に突出するものが対象に。部分切除を腹腔鏡で行う場合は、腫瘍の部位など、さらに適応が限定されます。
腎がんの腹腔鏡下腎部分切除術技術を要するため、どの病院でも出来る簡単な手術ではありません。しかし体に優しいがん治療として注目され、徐々に広がりを見せています。その背景には、腹腔鏡下腎部分切除術の適応となる4センチ以下の小さな早期がんが検診などのエコー検査やCTで偶然見つかるケースが増えてきたことが挙げられます。また、近年、手術手技の改善も一因と言えるでしょう。

「当院では2009年に腹腔鏡下腎部分切除術に成功して以降、順調に症例数を増やしています。2015年1月現在、大きな合併症はありません。症例を重ねるごとに技術も進歩しています」と山本医師。ただし、腹腔鏡下腎部分切除術が難しいと考えられる場合は腹腔鏡下腎摘除術か回復による腎部分切除術を選択。転移がある場合は手術で腫瘍を摘出し、さらに免疫療法(インターフェロン、インターロイキン)を行うなど、病状に応じて細やかな治療法を選択しています。

腎臓がんの臨床病期と治療 済生会病院における腎摘徐術、腎部分切除術の症例数の推移
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