大腸がん
治療について
放射線療法
放射線療法には、手術前に照射し癌の進行度を下げ、再発を抑制したり、肛門温存を図るために使用する術前照射の場合と、進行再発癌で切除が困難な場合に疼痛緩和、出血制御などの緩和的な放射線療法があります。
手術療法
大腸癌の治療は外科治療が基本になります。原発巣と周囲のリンパ節を切除(リンパ節郭清)が行われます。 アプローチの仕方により、開腹手術と腹腔鏡手術があります。
結腸癌の手術は術後の機能障害がほとんどおこらないが、直腸癌の手術は周囲に膀胱、前立腺、精嚢、子宮、卵巣などがあり排便・排尿・性機能に影響がでることがあります。
直腸がんの手術
がんの進行度においてさまざまな手術方法がとられますが、代表的な手術である自律神経温存術、肛門括約筋温存術、直腸切断術について説明します。
- 1. 自律神経温存術
- 直腸がんの進行度に応じて、排尿機能と性機能を支配する自律神経を温存し、がんを切除する方法
- 2. 肛門括約筋温存術
- 肛門に近い直腸がんでは以前は永久的人工肛門の手術がなされていました。最近では、癌の進行度によって人工肛門を避ける手術ができるようになりました。また肛門からの手術操作をおこなうことによってより肛門に近い癌でも自然肛門を残すことが可能になってきました。
化学療法
大腸がんの化学療法として、進行がんの手術後に再発予防としておこなう補助化学療法と、根治切除不能・進行再発大腸がんに対する抗癌剤治療があります。
大腸がんの術後補助化学療法
- ・StageⅢにおいて、抗癌剤を使用するほうが手術単独群と比較して無病生存期間および生存期間が優位にすぐれていたと報告されています。推奨される治療法としては5FU+Leucovorin(LV)、UFT+LV, capecitabineが使用されます。
- ・StageⅡの術後補助療法では、他臓器浸潤、低分化腺癌などの再発高危険群では、補助療法が施行されています。
大腸がんの術後補助化学療法
- ・現在大腸がんに使用する基本的な抗がん剤は、5FU,L-OHP,CPT-11の3つの薬剤です。5Fuには急速靜注と持続靜注があります。FOLFOX(5Fu+LV+L-OHP)、FOLFIRI(5FU+LV+CPT11)が有用性の高い標準治療とされています。
- ・分子標的薬(ベバシズマブ、セツキシマブ)を併用する方法が推奨されています。 現在のガイドラインではFOLFOX±ベバシズマブ,FOLFIRI±ベバシズマブ, 5FU+LV±ベバシズマブ、UFT+LVが一次療法では推奨されています。