大腸がん
ストーマについて
QOLを追求し、めざましく進歩したストーマ
皮膚・排泄ケア
認定看護師
吉村紀美枝
肛門の機能を温存することが難しい直腸がんの治療法に、ストーマ(人工肛門)を造設する手術があります。ストーマとは腹壁に穴をあけ、腸の一部を体外に引き出して、腹部に固定しもの。肛門括約筋温存手術を行う場合にも一時的にストーマを造ることがあり、直腸がんでは一般的な治療法の一つとなっています。
ストーマに使用する装具はここ数年で飛躍的に進歩し、普通の人とほとんど変わらない生活ができるようになってきています。当院ではストーマをはじめとする排泄ケア、スキンケアなどに特化した皮膚・排泄ケア認定看護師が2名在籍しています。ストーマは便を溜める袋を腹部に装着するため、においが気になるなどの声が聞かれてきました。しかし、今は臭気を逃がすフィルターがついた防臭機能に優れたストーマ用装具が普及。「以前のものはにおいが漏れたりしていましたが、今では、すれちがってもまったくわからないですね」(吉村看護師)。
ストーマ用装具
また、袋をそのままトイレに流せるタイプや温泉で使用できるタイプも登場。袋を貼り付けることで皮膚がかぶれるという人には、セラミド入りのタイプも。抗がん剤による皮膚トラブルもあるため、肌にやさしいタイプが活用されています。
「ストーマ用装具は各メーカーからさまざまな種類が出ています。どのようなものを選ぶかを含め、私たち認定看護師がご相談・お手伝いを承っています」と、術後のフォローアップも万全です。
このように、当院では身体的負担の少ない手術、生活の質をできるだけ保つアフターフォローまで、さまざまな角度から大腸がんにアプローチしています。