「アピアランス支援モデル事業」について
近年、がん医療の進歩により、治療を続けながら社会生活を送る患者が増加しています。こうした中、がんの治療と学業や仕事を両立し、治療後も社会生活を維持するためには、治療に伴う外見の変化に対する支援が重要です。当院では、2011年に「集学的がん診療センター」を立ち上げ、患者とその家族の多面的な支援を行ってきました。たとえば、がん患者の就労支援、がんの親を持つ子どもへの支援、心のケアを提供する「がん哲学外来」や「メディカルカフェ」など、幅広い取り組みを展開しています。その支援の一環として、アピアランスケアの重要性を特に重視しています。
がん医療の進歩により社会生活を続ける患者が増える一方で、医療現場における外見の変化に起因する苦痛を軽減するためのアピアランスケアについては、まだ知見の集積が十分ではありません。そのため、医療機関においてアピアランスケアを適切に実施できる体制を構築し、その効果を検証することを目的として厚生労働省のモデル事業が進められています。
今回、当院がアピアランス支援モデル事業に採択されたことで、医療従事者による支援体制の強化に加え、地域の理美容従事者との連携を深め、患者がより効果的な支援を受けられる体制を構築していきます。この取り組みにより、患者が外見の変化を前向きに受け止め、社会生活をより良い形で継続できるよう支援を進めてまいります。