緩和ケア
緩和ケアについて
緩和ケアとは、がん患者さんとそのご家族の苦痛を和らげて、がんの治療や日常の生活が楽に行えるよう援助するケアです。
緩和ケアはこれまで、終末期医療として捉えられてきました。人としての尊厳を尊重し、人生を全うできるようにサポートすることがこれまでの緩和ケアの目的でした。もちろんそれは大事なことですが、がん治療全体を見ると、患者さんの苦しみや不安はがんと診断されたときから始まります。そうした苦痛や不安を和らげ、病気の治療に取り組めるように支援することも緩和ケアの大事な役割です。
また、最近の研究により、緩和ケアを受けることで生活の質(QOL)が向上するのはもちろんのこと、生存期間が延長することが知られるようになりました。
理念
- 私たちはあなたらしい人生をまっとうできるように援助します。
- あなたの人格、考え方、生き方を尊重します。
- あなたの抱えている全人的苦痛を理解し、受け止め、緩和に努めます。
- あなたと同様にご家族へのケアも行います。
- チームケアのもとに、あなたとご家族のQOL(生活の質)を高めます。
緩和ケア
緩和ケアとは、患者さんのあらゆる苦痛をやわらげることを目的とし、患者さんやご家族を身体面、精神面、社会面など色々な角度から支えていきます。
そして、大切な時間を人間らしく、自分らしく有意義に過ごすことができるように、お手伝いいたします。
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- ◇身体的苦痛の緩和
- WHO 方式がん疼痛治療法など専門の知識、技術で体の苦痛を和らげます。
難治性疼痛に対する神経ブロック等については主担当医と麻酔科医が連携のうえ診療を行っています。
当院での診療が困難な場合は、他医療機関への紹介等、連携して診療を行っています。
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- ◇精神的ケアの充実
- 心のケアのための専門のスタッフ(精神科医師、臨床心理士、音楽療法士、緩和ケア認定看護師など)がカウンセンリングや薬の治療を行います。
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- ◇社会的支援
- 治療費や経済的問題、生活上の問題のご相談に応じ、ご本人、ご家族の不安、悩みに対応します。
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- ◇日常生活により近い療養生活
- 病院にいてもご家庭にいるような雰囲気を味わえるように、そして、その人らしい療養生活がおくれるように応援します。
チームケア
がんと診断されたときから、スタートするケア
身体・精神の両面から患者さんの苦痛を緩和
緩和ケアという言葉をご存知ですか?緩和ケアとは、あらゆる苦痛をやわらげることを目的とし、患者さんやご家族を身体面、精神面、社会面など様々な角度から支えるケアのこと。すべての病気に対するケアですが、がん医療においては特に大きな役割を果たしています。
緩和ケアはこれまで『末期の患者さんに最期に行う治療』と思われていましたが、その在り方は大きく変化してきています。近年では、治療開始と同時に始まり、治療や病状に合わせて割合や進め方を調整するのが一般的になっています。がんと診断された時から緩和ケアを始める最大の目的は、治療を円滑に進め、その効果をより高めることにあります。
当院では、症状の程度に関わらずご希望がある場合に緩和ケアを行っています。患者さんの意思を把
握し、より良い生活を送るための支援することが第一の目的です。
病気には、身体的苦痛(痛み、吐き気、倦怠感、息苦しさなど)や精神的苦痛(不安、気分の落ち込み、いらだちなど)、社会的苦痛(家族の負担、医療費の問題、仕事や地位がなくなるなど)、スピリチュアルな苦痛(人生の意味、申し訳なさ、死が怖いなど)と様々な「苦痛(つらさ)」が伴います。
これらの苦痛に焦点を当て、患者さんとご家族がこれまでに近い生活を送れるよう多職種の専門スタッフがサポートしています。例えば身体的苦痛であれば、WHO方式がん疼痛治療法など、専門の知識・技術で苦痛を和らげます。精神的苦痛に対しては、医師や音楽療法士、緩和ケア分野の専門看護師など心のケアの専門スタッフが、カウンセリングや薬の調整で治療を行います。
- 緩和ケアチーム(一般病棟)
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一般病棟入院中のがん患者さんを対象に、身体的苦痛の緩和、不眠・不安・抑うつなどへの精神的ケア、社会生活上の問題に対するサポート、ご家族へのケアを多職種で行います。
主治医・看護師までご相談ください
- 緩和ケア病棟
愛の家 済生 -
専門的な緩和ケアを行います(個室20床)。在宅ケアに移行するための調整や、すでに在宅ケアを受けられている患者さんの緊急入院、一時入院などに対応します。
主治医・看護師までご相談ください
- 在宅緩和
ケア支援 -
自宅でも安心して暮らせるよう、地域のかかりつけ医、医療機関、訪問看護・介護と連携して支援を行います。
主治医・看護師までご相談ください
- 緩和ケア外来
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がん患者さんとそのご家族を対象とした専門外来を設けています。外来通院でも、入院同様のケアを受けることができます。
緩和ケア外来
Fブロック
【完全予約制】
通院、緩和ケア病棟、在宅あらゆる面で患者さんをサポート
がんという病気に対しては、診断、治療、在宅医療に至るすべての面できめ細やかなケアが大切です。これまでの研究では、緩和ケアを受けることで生活の質(QOL)が向上するだけでなく、生存期間が延長することも分かってきました。
当院では1996年から緩和ケアに取り組み、98年に福井県で初めての緩和ケア病棟「愛の家」を開設。2005年には緩和ケアチームの活動を開始するなど、県内に先駆けて積極的に緩和ケアを実践してきました。
通院治療から一般病棟での入院、緩和ケア病棟での入院、在宅支援まで、当院では、すべての患者さんの希望される場所で切れ目なく質の高いがん治療と緩和ケアを提供しています。
その他、研修、合同カンファレンス、緩和ケアの普及啓蒙など、福井県の緩和ケアの発展のための活動も行っています。